パートナーが大好きだったシロクマの地にお別れにきました。
北極に返してあげよう、と思いたったものの、
散骨ってどうやってするんだろう、って思ったところから、助けられながらここまでこれた。
彼が、亡くなった日を告げると、
ずっと忘れないわ、
と奥さんのジェネファーが言った。
北極に彼の遺骨を返すことは、私たちが巡ってきた聖地のエネルギーを宇宙の中心にかえすことなのだろうと感じていたが、
その日、まるで彼を迎えにきたようにオーロラがおりて、しかも爆発して目で見えるくらい虹色に輝いたのだった。
たまたま出会ったアーティストの女性から、
これ、彼と、あなたよ
と渡された絵。
星野道夫さんと友達だったと言っていた彼女はとても優しいシロクマの絵を描いていて、
彼が生きていたら、絶対好きになった、そう思った。
本当にはたぶん起こらない、白狐がシロクマに抱かれるその絵は、私たちが久高島で出会ったかたを通じて白山から迎えておまつりしてきた白狐のうがふくさんというお稲荷さんだと直感して、やはり彼とのご縁は、神様からの御用だったと確信したのだった。
私たちがそれぞれに伊江島の城山(タッチュー)によばれ、彼は世界中のイルカやクジラのいる海を、そして私はアフリカや南米、ユーラシア大陸など、人の住む大地を、
10年間それぞれの旅をして出会い、
ペルーやマウントシャスタ、カミーノデサンチアゴ、世界中の聖地を歩いて、富士山でお客様を招いて何度もリトリートをして、
新婚旅行でなぜか高千穂峯にのぼり、そこからは日本の神様に呼ばれるように全国の神社やお山にたくさんおまいりした。
呼ばれなければ絶対迷うと言われる玉置神社や沖縄の聖地も、苦労したことは一度もなく、いつも楽しくたくさんのありがたい出会いに満ちた素敵な時間だった。
籠神社さんの代参で高千穂神社の真名井の水を外宮にお届けする御用や、若い時に体力的に無理と諦めた奥穂高にある穂高神社嶺宮への登拝、白山も登拝して、
ふたりで行った最後の巡礼は東北。
初雪の岩木山神社についたとき、なぜかふたりでの巡礼は最後になるなって感じたが、本当にそうなって。
偶然にも星がいちばん輝く新月の日に、北極の地に彼は帰って、オーロラに迎えられて北極星に上がって行った。
北極星は、昼間も同じ場所に輝いている。
だから、これからはいつも一緒だね。
ジェラルドが犬ぞりに乗せてくれて、まさかのお墓参り。
しかもなんと虹がかかって、写真ではみえにくいけど、ダブルレインボー!
そして、帰りの飛行機でみた映画が、メグライアンのユーガットメールで、挿入歌にover the rainbow が流れたのも、
阪神淡路大震災の年に縁した伊江島からの記憶を全部つなげてくれたようで、
私の御用はまだ少し続きそう。