2年前と同カード、マドリードダービーになった今年の決勝。まず最初に私は言いたい。今年も含め、最近のCL決勝は両チームとも満身創痍で臨んでいるということを。
世界一のクラブを決める戦いなのは結構だが、決勝の舞台で『これぞ世界一のサッカー!』を見せてくれるチームは余りいない。ほぼ疲労がピークに達している状態で出てくるからだ。2年前の同カードも、アトレティコが試合開始すぐに2選手を故障で替えることになり、死闘を演じたのは記憶に新しい。
今年のレアルもアトレティコも、ベストコンディションであればもっともっとスピーディーなサッカーをする。これは、毎週両チームを見てる私だからこそ自信を持って言えることだ。
レアルの優勝後、「アトレティコのほうが良かったのに」とか「CR全然走ってないじゃん」という感想が多くを占めていたが、その前に、アトレティコだってベストではなかったし、CRがどれだけ足の痛みを押して出てきているかをちゃんと知った上で決勝を見てほしかったと思う。
話はそれるが、ビッグクラブはシーズン前から興行のために遠征をし、前シーズンの疲れを取る暇がない。下手すると、シーズン開始時に怪我人が多数いるなんてこともあるのだ。
そして、シーズンが始まると、基本はリーグ戦、カップ戦、欧州カップ戦の3つをこなすため試合数は多いし、おまけにレギュラーのほとんどが代表選手なため、今シーズンであればEURO2016の予選やコパ・アメリカの予選のために長距離異動を繰り返すことになる。
怪我をしないでシーズンをこなすだけでも難しいし、奇跡的に大怪我をしないでいられても、試合に出続けていればいつかは疲労がたまってしまう。そんなスケジュールをビッグクラブだからゆえにこなさざるを得ないのだ。
今年のレアル。BBCが3人揃うことはあんまりなく、ベイルとベンゼマはしょっちゅう怪我を繰り返し、欠場が多かった。その中で、唯一全試合に出続けた鉄人CRも、遂に4月に筋肉を痛めてしまう。CRが筋肉を痛めるなんて最近では聞いたことがなかった。それほど肉体的に厳しいシーズンだったことが分かる。
リーグ戦と第1戦を続けて休むCRなんて見たことがない。それで出てきた準決勝第2戦も、私は現地で見ていたが、ダッシュすることはほとんどなく、いつもは普通に出る細かいフェイント(シザースとか)も出すことがなかった。それらができないほど、足の状態は悪かったのだろう。何とか痛みが爆発しないように、決勝まで持つようにと気を使ってプレーしているのが見え見えだった。
リーグ戦最終節とCL決勝の間は中1週あった。しかし、満身創痍のビッグクラブが疲労をリセットしてそこからコンディションを再び上げるには1週間じゃ足りない。CRは練習を途中で切り上げるというアクシデントもあった。普通の選手だったら、怪我を発表して離脱してもおかしくないだろう。ただ、CRだからこそ、怪我を黙殺してピッチに立つのだ。
決勝のピッチ上のCRは、準決勝第2戦と変わらなかった。これは、痛みが爆発しないように、90分持ってくれというプレーにほかならない。
そして、ベンゼマも怪我明けから全くコンディションが上がってなかった。このBCの動きに限界があるからこそ、ベイルは前半から攻守にわたって走りまくったのである。CRの分もベンゼマの分も走りまくった。(おかげで終盤で両足がつるというアクシデントが起きた。)
3トップがそんなで相手にプレッシャーをかけられないので、真ん中の3枚も前へのプレッシャーをかけることはできない。自然と引いてスペースを与えない守備をすることになった。
決勝が準決勝第2戦と違ったのは、カジミーロが使えたことだ。カジミーロはシーズン通してフルに出てる選手じゃなかったため、決勝の舞台でもコンディションはわりといい。Sラモスとペペの前にできるスペースをしっかり埋めていたし、モドリッチとクロースがいつもより引いてるからこそ、ここぞというときにカジミーロがボール奪取のために飛び出すこともできていた。ちなみに、カジミーロの才能を開いたのはベニテスであるが…。
レアルの唯一の光明は、Sラモスとペペのコンビの出来が急に上がったこと。Sラモスはシーズン前半で肩を大怪我してからはなかなかコンディションを上げることができなかったし、ペペは怪我がちな上にヴァランがスタメンだったときもあって、試合勘がなかなか上がらなかったのだ。ちぐはぐな時もあったコンビだが、ここに来てようやく調子を上げ始め、決勝の舞台ではなかなかいい出来だったと思う。さすが肉体バカ様(Sラモス)である!(笑)
前置きが長くなったが、レアルの中で好調だったのはSラモス、ペペ、カジミーロくらいなもの。CRとベンゼマは明らかに怪我だし、カルバハルとマルセロも歴戦の疲れが出てくる頃。そんな中、スタートダッシュを決めて先制することができたので、身体的リスクを犯さないサッカー(交替枠は怪我人用に取っておくため)に決め込んだのだと思う。
対するアトレティコ。シーズン前半戦はいい感じに試合をこなしていたが、後半戦になるとセンターバックが相次いで怪我で離脱するというアクシデントに見舞われた。それを、中盤のレギュラー陣が体を張ってフォローし、何とか2ヶ月くらい乗り越えることができたのだが、終盤になり遂にレギュラー陣に疲労が出始める。グリーズマン、サウールは90分動き続けることができなくなっていた。
バルセロナ、バイエルンと死闘を演じたため、直後のリーグ戦のレバンテ戦で逆転負けをしたりと、ここに来てチームに疲労がズッシリのしかかってきたことは間違いない。決勝のピッチの上でモーレツに走りまくった感じはないのに、鉄人のFルイスと鉄人のコケが足にきてしまったことからも、やはりアトレティも疲労困憊だった。
そんなわけで、満身創痍対決になったわけだが、レアルが疑惑のゴールで先制し、ここからは気持ちで守り切る作戦に出た。前半から全員で引いて守るレアルの姿はアトレティコにとっても意外だったに違いない。
後半頭からアトレティコはカラスコを投入。これは、この日のレアルの中では比較的攻撃参加するカルバハルの裏を突くためと、イエローを1枚もらってるカルバハルにスピード勝負を挑み、あわよくば2枚目退場を狙ったとみえる。
しかし、ここでもアトレティコの思いどおりにはいかなかった。カルバハルが不運にも肉離れを起こして早々と去ってしまったのだ。交替で入ってきたダニーロはカルバハルほどの積極性はない上に、当然カラスコにスペースを与えないように指示を受けた上で出てきている。おかげで、カラスコは流れを変えるような働きはできず、しまいには流れを変えるために交替させられるとこだったようだ( ̄▽ ̄;)
そんな中、ファンフランが右サイドから最高のクロスをゴール前に通し、詰めてたカラスコが同点ゴールを決めた!(☆∀☆)
カラスコに注目が集まってるようだが、いつも見てる私としては、これはファンフランのゴールと表現しても過言ではないくらい、ファンフランの精度が素晴らしかったと思う!v(´▽`*)
アトレティコは息を吹き返したが、守っていたレアルにとっては相当ショックだったに違いない。足への疲労も倍増しただろう。
もちろん、アトレティコは押せ押せムードになったわけだが、ここからのレアルの粘りが、私も今までに見たことがないほどのものだった。完全に劣勢になったにもかかわらず、ベイルもマルセロもモドリッチも足をつってるにもかかわらず、誰一人足を止めないレアル。CRも爆弾をかかえているにもかかわらず、両足をつってるベイルに「おまえは戻るな!俺が戻る!」と指示をしてディフェンスに走る場面もあった。
間違いなく、スーパースター軍団が一つになって戦っていた。サッカーの根本ってこういうものだよね。
というわけで、死闘となった決勝。最後は、レアルの執念がほんの少しアトレティコを上回った結果だと思う。PK戦てそんなもんだ。

ものすごく苦しかった分、喜びも大きいよね!おめでとうレアル!!!
アトレティコには非情な結果となってしまいました。

ほんと、アトレティコのどこがあかんかったとかは特にない。まあ、特にないからこそ、悔しさもハンパないのではあるが…。
レアルとの差は、死闘になった時の経験値とこの一戦への執念くらいだろう。あと、この一戦だけに限って言えば、レアルのほうがチーム一丸になってたように思う。
となると、この経験を積んだアトレティコ、来年はまた1歩ステップアップできるってもんだ!
ファンフランも言ってた。『ガビにビッグイヤーを掲げさせたい』と。そう、その気持ちが大切よね!(^∇^)
レアルとアトレティコ、お疲れ様!また来シーズンも楽しませてください!(^∇^)



























