芥川賞受賞作『おいしいごはんが食べられますように』
タイトルと表紙から、勝手に「ほのぼの系」「ほっこり系」だと推測していた私。
それが、一言でいえば・・・・・超胸糞わるい
いや~~~、このラストはすごかった、、、。後味の悪さが半端なくって、、、
まったく良い意味で裏切られた傑作でした。
ごくごく平凡そうな職場に、一見普通そうな職場の人たち
そこで鍵となる主役がこの3人の男女。
・飄々としていながら、どこか冷めた雰囲気の男性「二谷」
・二谷の彼女で、料理やお菓子作りが趣味の「芦川さん」
・仕事ができるがんばり女子。芦川さんのことが嫌いな「押尾さん」
男女3人とくれば三角関係のドロドロ恋愛ドラマか?といえばそうでもない。
(なんとなくキャラ設定は「東京ラブストーリー」に似てるところはあるけど)
「芦川さん」と「押尾さん」がまったく対照的な性格に描かれてて、
いい感じに燃料投下されてるんですよね。
か弱くて小動物系、守ってあげたくなるようなゆるふわ女子「芦川さん」
しっかり者で芯が強そうに見えるけど実は繊細な「押尾さん」
男子受けがいいのは完全「芦川さん」ですね。
でも、女性はけっこう「芦川さん」タイプ苦手じゃないかな。
はい、わたしも完全に嫌いです
「芦川さん」って弱そうに見えて、実はたくましいし強欲。
そこらへん、男性は気づいてほしいな
話はそれますが、「芦川さん」は職場によくお菓子を作ってもってくるんですが、
皆さん、手作りのお菓子って食べれます??
わたしは抵抗あるなーーー。
よっぽど仲がよい人ならまだしも、ただの同僚からの手作りは困りますね。
好みの味じゃなくても、「美味しい~~」とか言わなきゃいけないし
こうゆうところが、「押尾さん」なのかな、わたし
「押尾さん」にはこの先幸せになってほしい。
ほんと、切に願う。
肝心のストーリーですが、
職場という狭い人間関係だからこそ起こるちょっとしたこと。
淡々とした日常に起こる些細なできごと。
そこにほんの少しの悪意の塵がつもって、、、、最後にどっかーーーーーん!!
とにかく最後の数ページは衝撃的でしたね。。
どこの職場でもありそう、起こりそうなリアル感。
これは読んでみないとわからない面白さ。
ぜひぜひ、機会があれば読んでほしい一冊です