大胆なオリジナリティ溢れる衣装は圧巻。


『哀れなるものたち』は、2023年公開のイギリス・アメリカ・アイルランド合作のシュール的なSFロマンティック・コメディ。


映像、音楽、衣装、全てが芸術的かつ幻想的。

耽美でグロテスクな世界観と、

何より圧倒的な美しさのエマ・ストーンに魅了された、とても濃厚な142分でした。


あらすじは、自ら命を絶った不幸な美しい女性ベラ(エマ・ストーン)が、天才外科医ゴッドウィン(ウィレム・デフォー)の手によって、奇跡的に蘇生する。


といっても、胎児の脳が移植された女性版フランケンシュタイン。

マッドサイエンティスト、ゴッドウィンの実験体、サンプルとして、過去の記憶を塗り替えられ生まれ変わる。


ゴッドウィンの庇護という名の観察下に置かれているベラ。

牢獄に囚われた姫君かのように、自由を奪われているベラは、次第に外の世界に憧れ始める。


やがて、女性としての性の目覚めや、「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられたベラは、未知なる世界へ飛び出していく、というのが、前半のストーリー。


前半はモノトーンな白黒の世界で、どこか不気味でゴシック調な世界感。


からの、後半は自由と開放を求めて飛び出すところからカラーに切り替わる。


カラーといいっても鮮やかではなく、独特な色彩が、不穏で強くも儚い映画の雰囲気にとってもハマっていた。


後半では、純粋がゆえに自分の欲求や探究心の赴くまま自由に行動するベラの冒険が描かれるんですが、

良識ある世界の範疇にはおさまらないベラの姿は、ブレーキが効かない機関車のよう。


それが社会や人と関わり、知らなかった世界を吸収していくごとに、いつしかどんどん洗練され、驚くほど知的でさらに美しく成長を遂げていきますおすましペガサス


ラストらへんでベラの夫が現れ、自殺の真相が明らかになり、なんやかんやと一悶着ありますが、最終的には奇想天外なめでたし、めでたし、になります泣き笑い


それにしても、エマ・ストーンの体当たり演技は圧巻です。アカデミー賞主演女優賞も納得ですねラブ

全部でアカデミー4部門受賞の作品ですし、見応えはもう十分!

2時間越えの超大作なんで、見終わったあとはクタクタ、もうお腹いっぱい、って感じですけど口笛


ただ、残酷なシーンや、性的な場面が割とあるので、好き嫌いは別れるかもしれませんショボーン

抵抗ない人にはぜひ!この世のものとは思えない壮大な映像美を味わえる本作を、ぜひ見てほしいし、感想を聞いてみたいですキラキラ