『PERFECT DAYS』
ただ、ただ。
とても美しい映画でした。
公共トイレ清掃員「平山」の淡々とした⽇々。
単調な毎日に彩りを添える、ちょっとした微笑ましいエピソードはあるけれど。
事件というほどでもなく、凡庸で単調なストーリー。
お金持ちではない。
一緒に暮らす家族もいない。
友人と呼べる人もいない。
あんなに頑張って綺麗に掃除しても、
感謝の言葉があるわけでもない。
毎日、ほぼ同じルーティンが繰り返される、
平凡な男の、平凡な毎日。
でもそこには、
平山だけの「豊かさ」が溢れていて、
毎日に同じように見える毎日でも、
日々同じ1日はないんだ、と気付かされる。
そう思えたら、なんと愛しい毎日なのか。
幸せの形は人それぞれだとわかってるけど
どこかで人と比べてしまう。
自分が納得して「コレ!」と決めることさえできたら、人からどう思われようと、それは紛れもない幸せ。
でも、なかなか決めることができないから、
迷って悩むんだよね。
平山の多くを持たない幸せ、
あるものに目を向け大切に慈しむ姿は
とても毅然としていて潔さを感じる。
キャッチコピーの
「こんな風に生きていけたら」
本当にその通り。
「Oh, it's such a perfect day」