今回は、債権者代位権の要件について、ざっくり話していきたいと思います。

「要件」というのは、必要な条件」という意味です。


債権者代位権を行使するには、要件を満たす必要があります。
債権者代位権は、どんな債権者にも認められる権利ではないのです。

ざっくり言うと、債権者代位権が行使できないパターンは、5つです。

できないパターンのいずれにも当てはまらなければ、原則、債権者代位権を行使できます。

 

 

できないパターン その1
原則、被保全債権が、「金銭の引き渡しを請求する権利」
じゃなかったらバツブルー

 

 

 

では、図を見て、被保全債権が何かを確認しましょう。

 



Aの債権を「被保全債権」と呼びます。

「ひほぜんさいけん」と読みます。

なお、Bの債権を「被代位債権」と呼びます。

「ひだいいさいけん」と読みます。

これらの呼び方があることによって、それぞれの債権が一言で区別できるようになっています

また、述べ方的な話
「債権者が主たる債務者に対して有している債権は〜」や「主たる債務者が第三債務者に対して有している債権が〜」と述べるよりも、「被保全債権は〜」や「被代位債権が〜」と述べた方が短いのは、一目瞭然です。

行政書士試験には40文字の記述問題が出題されますので、その対策として、文字数のコントロールをできるようにしていくべきです。

 

例えば、「被代位債権が〜」と書けば言い表し切れる部分を、「BがCに対して有している債権が〜」としか書けなければ、いくら他の部分が模範解答通りの素晴らしい出来だったとしても、模範解答の文字数より9文字ほど多くなってしまうのではないでしょうか。

 

仮に、「被代位債権」という言葉を使った模範解答が40文字ジャスト……という記述問題が出題されたとしましょう。

「被代位債権」という用語を使わなければ、他の部分が模範解答の内容通りに解ったとしても、それを書き表そうとしたときの文字数は、49文字になってしまうのではないでしょうか。(おそらく、解答用紙には45マスしかない。)

しかも、もし、問題文中の登場人物に「Aさん」や「Bさん」や「Cさん」等の名前が付けられていなかったら、「主たる債務者が第三債務者に対して有している債権が〜」と書きますか。それでは、模範解答の文字数よりも18文字ほど多くなってしまうのではないでしょうか。

マスが足りない!解るのに!などと嘆く羽目になりたくないのであれば、被保全債権」や「被代位債権などの法律用語をしっかりと押さえていくようにしましょう

 

 

さて、わざと話をそらしましたが、、、

 

被保全債権が金銭債権じゃない場合は、原則、債権者代位権を行使できません

なお、金銭の引き渡しを請求する権利のことは、「金銭債権といいます。

これもぜひ覚えておいてください。

では、今回は以上です。

 

【債権者代位権】 ざっくり入門編の第2回目でした。

 

お疲れ様でした。