民法の相続制度の改正について 法制審議会7月18日会議より③ | 豊島区池袋の行政書士 宗岡司のブログ

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遺言執行制度についても、遺言執行者の権限の明確化の議論がされているようです。
権限が明確化もしっかり明記されたことと、効力が相続人に対して生じる旨の記載がされたことに加え、復任に関しても、現在の「やむを得ない事由」から「自己の責任で」となったため非常に動きやすくなりそうです。

・遺言執行者の権限の明確化等
(1)遺言執行者の一般的な権限等
ア 民法第1012条第1項の規律を次のように改めるものとする。
遺言執行者は,遺言の内容を実現することを職務とし,相続財産の管理,遺言の執行の妨害の排除その他の遺言の執行に必要な一切の行為をする権限を有する。
イ 民法第1015条の規律を次のように改めるものとする。
遺言執行者がその権限内においてした行為は,相続人に対して直接にその効力を生ずる。
ウ 民法第1007条に次の規律を加えるものとする。
遺言執行者が就職を承諾し〔,又は家庭裁判所に選任され〕たときは,その遺言執行者は,遅滞なくその旨及び遺言の内容を相続人に通知しなければならない。
(2) 個別の類型における権限の内容
特定遺贈又は遺産分割方法の指定がされた場合における遺言執行者の権限について,次のような規律を設けるものとする。
ア 特定遺贈がされた場合
(ア)特定遺贈がされた場合において,遺言執行者があるときは,遺言執行者が遺贈の履行をする権限を有する。
(イ)(ア)の規律にかかわらず,遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは,その意思に従う。
イ 遺産分割方法の指定がされた場合
(ア)遺言者が遺産分割方法の指定をした場合において,遺言執行者があるときは,遺言執行者は,その相続人が対抗要件〔(引渡しを対抗要件とする場合を除く。)〕を備えるために必要な行為をする権限を有する。
(イ)(ア)の財産が預貯金債権であるときは,遺言執行者は,預貯金の払戻し又は当該預金若しくは貯金に係る契約の解約の申入れをする権限を有する。ただし,預金又は貯金に係る契約の解約の申入れは,(ア)の財産が預貯金債権の全部であるときに限り,することができる。
(ウ)(ア)及び(イ)の規律にかかわらず,遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは,その意思に従う。
(3) 遺言執行者の復任権
民法第1016条の規律を次のように改めるものとする。
ア 遺言執行者は,自己の責任で第三者にその任務を行わせることができる。ただし,遺言者がその遺言に別段の意思表示をしたときは,その意思に従う。
イ アの場合において,やむを得ない事由があるときは,相続人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う。