公務員試験の世界には,問題集が2種類存在します。

 

1つは,セレクト問題集です。

実務教育出版さんの「新スーパー過去問ゼミ」(スー過去)や,LECさんの「過去問 新クイックマスター」(クイマス)が,これに該当します。

公務員試験の場合,実際の過去問を繰り返し解いていくなかで,知識を習得するというスタイルが確立しているので,多くの受験生はセレクト問題集を使っています。

 

もう1つが,試験種別の過去問です。

実務教育出版さんの「過去問500シリーズ」や,TACさんの「本試験過去問題集」が,これに該当します。

一般的に,上記のセレクト問題集を一通りこなした後に,志望する自治体等に合わせ,こちらの問題集に進む方が多いようです。

 

 

さて,なぜ急にこんな話をしたかといえば,

必ず『志望する自治体等』の過去問をチェックしましょう」ということを言いたいからです。

 

多くの受験生は,セレクト問題集(主に「スー過去」)を使って勉強します。

一応私は教材を製作する人間なので,そのあたりの事情はよく理解しているつもりですが,一般的に,セレクト問題集を製作する場合,「ヘンな問題」は入れません。

 

「ヘンな問題」とは,いわゆる捨て問と呼ばれるものです。

 

 

「ヘンな問題」には,次のような特徴があります。

①今まで出題したことのない知識(条文・判例など)を並べた問題になっている

②問題文がやたらと長い(超長文問題)→例えば,「憲法」について言うと,国家総合職だけでなく国家一般職でも多くなってきました

③今まで出題されたことのない問題形式になっている(例:突然「教授と学生の会話」問題が出てきた,判例の穴埋め問題が出てきた)

 

また,公務員試験特有の事情として,

④特定の試験種でしか問われない出題形式(例:裁判所職員でしか問われないタイプ)

 

ここまで来ると何となく想像できると思いますが,こういった「ヘンな問題」は,実力を養成するというセレクト問題集の目的に反します。

こんな問題を解いた・解けるようになったところで,筆記試験の合否に影響を与える可能性が低いからです。

また「ヘンな問題」というのは,そもそも数に限りがある(せいぜい例年1つの試験種ごとに1問くらいの)ため,問題演習中心が主流の公務員試験の世界においては,攻略することがとても難しいからです(経験値が足らない)。

 

「ヘンな問題」は,出題数自体多くなく,みんな解く練習をしていないのでそこでは差がつかず,解こうとすると時間がかかってむしろ他の問題に悪影響が出る。

こういった事情から,「ヘンな問題」は“捨て問”として,豪快に捨て去るに限る!という結論に至ります(「ございませんっ!」と言いつつ,公園のごみのカゴに投げ捨てるイメージ)。

 

 

ここで,問題が。

 

「ヘンな問題」って,例えばどういうもの?

 

「セレクト問題集」には掲載されていませんから,「セレクト問題集」だけをやっていると,「ヘンな問題」とは一体何なのか,どういったものなのか?を知らないまま本番を迎えることになります。

そして,本番で「ヘンな問題」にぶち当たったとき,「なんだこりゃ!?」と一種のパニック状態となって,問題が解けなくなってしまう方が出てきたりします。

 

「ヘンな問題」は解ける必要がないのですが,「『ヘンな問題』とは何か」を判断するための基準を自分のなかにしっかりと作っておかないとダメなのです。

あらかじめ判断基準を作っておいて,本番では,それに基づいて「これは解けなくてOK」とスパスパ飛ばす(パスする)勇気を持つのです。

 

 

では,その基準はどうやって作ればよいのでしょうか。

 

その基準を作るために用いるのが,そうです,冒頭に出てきた「試験種別の問題集」です。

例えば,「平成29年度」「平成28年度」というように,年度別に並んだ問題を見てみる。

他に,「国家一般職」「東京都」「特別区」というように,試験種ごとに見ることで,試験種ごとの出題傾向をあらかじめ知っておく(例:裁判所職員(一般職)の憲法は,必ず学説問題が出る)。

 

こういったことをあらかじめ知っておけば,いざ本番でそういう問題に遭遇したとしても,冷静に対処することができ,いつもの実力をいつも通り発揮することができるというわけです。( ̄▽ ̄)

 

「セレクト問題集」を使って勉強している方は,既に勉強を始めた科目だけでも構いませんので,一度ちょっとだけ「試験種別の問題集」をパラパラ見てみてください。

大学の図書館等公務員試験関係の資料を扱っている部署があるのなら,試しにそこを利用してみるというのも,一つの手でしょう。

 

もちろん,今の時点で購入する必要はなく,例えば東京都や東京特別区は,ホームページ上で問題を公開しています(PDFファイル)。

また,国家公務員試験の場合,人事院に情報公開請求をすることで,実際の問題を試験種ごとに見ることができたりもします。

 

 

こういう「敵を知る」ことは,確実に結果を出すうえで,極めて重要なことです。

「敵を知り」,そして「己を知る」ことにより,敵と己の差を認識し,自らに足りないものを補い,結果が出る確率を上げられるからです。

 

長くなりましたら,何か参考になれば幸いです。m(_ _ )m

 

 

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