【コラム】悩ましい | ギョォォォオサワのミッドナイトガレージ-コラム「driver's mind」

【コラム】悩ましい

先日アバルト500eに試乗してきたブログをアップしましたが、



電気自動車になってもアバルトはこういうものだという

ブランドとしてキチッと提案をしてきたことが衝撃的に感じました。


個人的に電気自動車の魅力はエンジンの音と振動がないことに

よってより走りを味わうことができることだと感じています。


もちろん、滑らかな加速と反応の良さもありますが、

やはり電気自動車になってもブランドの味の違いは、

その乗り味、走り味にあると思っています。


となれば、当然マニアックな領域になるのも否定はできませんが。

(孤独のグルメとかソロ活女子のススメに近い感じ)


さて、イタリア車の魅力のひとつに、音があると思います。

マセラティの官能的な排気音。

アバルトといえばレコードモンツァの荒々しい音。

イタリア車の排気音は楽器のように例えられることもありますよね。


今回のアバルト500eは、この音をブランド価値として

電気自動車に入れてきました。

レコードモンツァの音を再現するために6000時間以上を費やして。


現行のアバルト500が登場するティザー動画には排気音が

効果的に入っていましたよね。


https://youtu.be/Vra7BqOPiVY?si=5HF8l4gtwYcnOg_4


音を聴かせる電気自動車は他のブランドにもありますが、

それは内部のスピーカーを使ってドライバーに聴かせるというもので、

外は無音に近い状態でした。


それをアバルトは外に大きなスピーカーをつけて

外に向かって音を出すということをやってきました。


それが、新たな電気自動車のブランドとしての提案ということで。


それと、音は空気を振動させて伝わっていきます。

その振動をわざと室内に届けるようにしているようにも感じました。


もちろんその音を不快に感じる人もいることも事実としてありますが、

電気自動車になってもアバルトという価値をそこにも求めたということは、

衝撃でもあり悩ましいとも感じました。


あまり話はしていませんが、

実は595コンペのユーザーでもある私としては、

実に悩ましいと思いました。


エンジンがなくとも走りだけでなく音も楽しめるではないかということ。


まぁ、私が所有しているのはマニュアル車なので、

今の電気自動車では

シフトチェンジが楽しめませんが、それは別のクルマでも

できるなと最近感じていて、

それならアバルトのエンジン車の何が楽しいのかというところが

悩ましいところでした。


個人的にハンドリングや乗り味、ドライバーの操作に対して

気持ちよく動いてくれるのか、などというところに

楽しさを感じていることもあるかもしれません。


ちなみの個人的にレコードモンツァの好きなところは、

エンジンを吹かしたところではなく、

アクセルOFFしたときのタービン音のヒューンという音が入ったところが好きです。


今後、このような外に音を聴かせる電気自動車は

出てくると思います。


そうなると電気自動車の楽しみかたも

また違った楽しみかたもできる。


そう思うといろいろ悩ましいですね。





「運転じょうずなドライバーになることがモノいえるユーザーの第一歩」

(三本和彦)