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『もしもし~田町着いたよ~みぃくん』


『昨日は数時間しか寝てないから

眠いよぉ~』


『早くおいでよ~

俺んちで寝てから店来なよ』


『うん!とりあえず急ぐね~

今、金杉橋渡った辺り』


辺りは暗く街灯がつき始めた。

街にはロングコートのOLが目立ち始める。


ミキトのマンションはオフィス街の真ん中にある。コンクリートジャングルだ。


マンションの入り口でオートロックを

解除しようとすると、帰り際の管理人さんが


『お姉さん!今日はいつもと雰囲気違うね~いつもジーンズ姿だから』


『あー管理人さん!お疲れさまです!

今、帰りですか?』


『あ、ちょっと待って、解除してあげる』


『まだピンポンしてないから助かりました』


また管理人室に入りキーロックを解除してくれた。


『ありがとうございます!』


ユメはエレベーターでミキトの部屋へ。

玄関でチャイムを押す。


『はい』


『わたし』


『あれ?配達かと思った~

ロック解除できた?』


『うん。管理人さんが勝手に開けてくれた。信用されてるのかなぁ~うれし』


『ユメならイイけど…ファンが突然来たら

ヤバイな。大丈夫かな?あのじいさん』


『ん~?』


『他のDJに探り入れる客居るからさ。

嫌がらせで俺の自宅教えるDJも居るし…


DJも客の取り合いだからな。

ある意味。ま、いいや。早く入りな。


手が冷たいじゃん!』


ミキトはユメの手を引いて中へ。


『ホントだぁ~今はみぃくんの手のが

冷たいね~いつもはみぃくんが冷え性で

冷たいのにねぇ』


中に入りソファーに座る。


『今、ホットカフェラテ作るからね。

ユメちゃん用の牛乳で割ってあげる。


俺のコンビニ仕様』


『よくスーパーにある


俺の豆腐みたい。アハハハハ』


『あー俺も知ってる。俺のシリーズ。

なんでも、俺の付ければ旨くなるみたいな

そんな訳ないからな。前に…


俺のラーメンて、インチキ店に騙された。


本物の店はすげ~旨いらしい』


『みぃくんらしいね。流行りにのる

ミーハーだからねっ。私は流行りは疎い』


そんな話をしながらもミキトは

小さなヤカンで湯を沸かし

ドリップコーヒーを入れ始めた。


冷蔵庫から牛乳を出し

ユメの好みの牛乳の量を入れた。


『はい、お待たせ!』


『ありがとう~ちょっとだけ冷ます』


『猫舌だからちゃんと適温にしたよ』


『嬉しい~みぃくんさすがっ!』


ユメは直ぐに飲んだ。


『ホントだ~めっちゃ適温!』


『アハハハハ。

そんなに喜んでくれて嬉しいよ』


『そうだ。スーツ着替えたい。

クローゼットから私の服、出してイイ?』


『うん。遠慮しないで自分ちみたいに

使いなよ~水臭いな~』


ミキトも自分のカップにコーヒーを注ぐ。


『みぃくんが口つける前に

先にいただいてごめんね』


『うん。俺、飲んだら出るから。先に

クラブ行くから、寝てからゆっくりおいで』


ユメを見つめ頭をナデナデした。


飲み終わったユメはクローゼットから

ジーンズにセーターを出す。


『ちょっと着替えてくるね』


ミキトが立ち上がり、

寝室に行くユメを抱きしめる。


『ここで着替えてよ』


耳元で囁いた。


『やだぁ~恥ずかしいよ~』


『いつも俺とエッチしてるのに?』


ミキトはそっとキスをした。


『もぅ~見ちゃダメだよ~』


『ハハハ…鶴の恩返しみたいユメちゃん』


ユメはスタスタと寝室へ。


バタン。ドアを閉めた。


彼はそっとついて行き

静かにドアを開ける。


『みーちゃった!』


ジーンズを穿き、セーターを着ようとする

ユメが立っていた。


『もぅ~!』


ミキトはセーターを取り上げ

ベッドにユメを優しく寝かせた。


電気を消し


『行くまでしたいな~ユメと』


『だ~め。遅刻しちゃうもん…』


『厳しいなぁ~』


そういうと何度もキスを重ねた。


『ねぇ、ホントにダメだよ~みぃくん。

帰ったら続きして…』


『はぁ~い』


ミキトはさっきの取り上げたセーターを

ユメに着せてあげた。


『おやすみ~ユメちゃん。

電気はこのまま消しとくよ』


『うん。ありがとう。

いってらっしゃい。みぃくん』


ユメは首に手を回しキスをした。