日本の住宅は戦後の復興計画のため世界でも異質な低品質住宅になっています。
私が特にレベルの低さを感じるのは
・住宅性能
・デザイン性
・経営者の資質
・建材の安全性
・建て主も含めた全体的な住宅リテラシー
その中でも今回は「性能」について、日本でも2020年の省エネ義務に当たりサッシは樹脂、Q値、Ua値などよく目にするようになりました。
日本国内での高断熱を推進するトップランナー集団と言えば
新住協 日本外断熱協会 パッシブハウスジャパン そして2015年民間基準のHEAT20があります。
いずれも、高断熱で低エネルギー社会を目指す技術団体です。
個別に紹介
新住協
北海道室蘭工業大学 歯に衣着せぬ物言いで話題の鎌田先生率いる技術開発集団。
Qペックスという計算ソフトは安価でありながら高品質。
戸建て住宅の断熱技術という面では私は日本一進んでいる団体と感じている。
別名、グラスウール大好きグループ。
NPO団体日本外断熱協会
2001年から割と断熱分野では老舗だがRCと外断熱の関連からマンションのイメージが強い。
しかし、この団体で行っている研修のWufi(ヴーフィ)のソフトを使いこなせればかなりのスキルアップになる。
Wufiでは、パソコンで建築予定地へ予定図面と建材のデータなどを打ち込むと過去の膨大な気象データが入っており建築のスペックから熱と湿気の移動を自動的にシュミレーションでき建物の寿命も予測ができる。
例えば、東京都の町田市にこういうスペックの建築をした場合、13年後の何月くらいに北面から結露が発生する可能性がある。
だから、この部分の性能を向上させたら。というようなソフトだ。
別名、ゼネコン断熱団。
パッシブハウスジャパン
日本初のドイツのパッシブハウス認定を取得し話題となった森みわ氏率いる団体。
最も住まい手目線で住宅性能の啓蒙を行い高性能住宅の普及に一役買っている団体と言える。
技術だけでなく、パッシブデザインの面など見せ方もうまく、従来の断熱=技術=敷居高を覆しつつある。
近年森みわ氏は新住協へも加盟し団体同士の交流がどうなっていくか見ものである。
別名、YKKのロビー先集団。
どちらもアプローチや技術は違えど高断熱化を推進する団体です。
なぜなら 外皮
日本の住宅性能は著しく低いため、寒い北海道から暑い沖縄まで日本の気象や温度変化に対し、断熱して快適とな住まいへというアプローチがずっとなされていなかった。
そのため、木造住宅を高気密高断熱化しつつ、湿気で腐る、シロアリがいる日本で木造住宅の寿命を担保するという技術的アプローチの歴史は浅く未だ成長中と言える。
成長期の中こういうトップランナー集団が着目を浴びることで、影響を受けるフォロワー工務店が増えるのもある意味いいことだ。
特に最近ではパッシブハウスジャパンの取り組みもあってか「パッシブハウス」という言葉の認知も多少なりとも広がってきた。
パッシブハウスもドイツの民間基準でありドイツのトップランナー集団が起点となった。
今ではパッシブハウス基準はほんと一要素になりもう少し広義の意味の民間基準が生まれていると聞いている。
しかし、パッシブハウスと日本の住まいでは大きな違いがある。
ドイツのパッシブハウスの場合断熱性能を向上させていけば、ある一点を超えると暖房設備が不要となるレベルになり、
ランニングコストを含めた住宅のライフサイクルコストが一気に安くなるのである。
さらにその均衡点を超えてしまうと、高断熱化による建築コストは吸収しきれなくなる。
そのためパッシブハウス相当の住宅性能にした場合、日本でも暖房費が削減されて結果安くなりますよ!なんて言う工務店もいる。
しかし、ドイツの場合は「全館空調」が基本で日本は「部分空調」が基本である。
ということと、夏の除湿エネルギーが必要ということ。
では、安く建ててパッシブハウス相当の性能にしたらばコストが安いのに高性能住宅。
これも私は反対である。安く建てるためには新建材の割合を上げる必要がある。
気密性能が高くC値が1を切るレベルだと新建材によるシックハウスの引き起こす可能性がある。
シックハウスなど化学物質分野では日本の法律はオイルショックの年から変化しておらず野放しであり、シックハウスはまだ終わった問題ではない。しかし目に見えないということと、YKKのようなロビー活動を積極的にする団体が不在のため進んでいない。
以上から日本でのパッシブハウスは建築コストと維持コストのバランスが必ずしも、100%お得になる住まいとは言えないかもしれない。。
ただ、暖かい住まいになることで例えば毛布が一枚減ったり冬モノが少なくなりシンプルライフは謳歌できそうだ。
断熱も大事ではあるが、住まいとどう付き合っていくのか、どう暮らしたいのかの方が大切である。
断熱マイブームの工務店は断熱の重要性しか語らないところも多いが重要なのは使い方、暮らし方である。
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