さる10月21日(日)、美郷町六郷湧太郎内国の誉ホールにて第49回公開講座「親鸞に聞く」が開催されました。講師に枝川慶悟浄光寺副住職を迎え、「願う世界」という講題の元、およそ2時間にわたるお話がありました。

 
 ≪御講義をされる枝川氏≫

お話の中で自分の耳に残ったのは、原発事故の起こった福島で生活を続けている福島県二本松市の大谷派真行寺佐々木道範氏さんのお話をもとに「よりそう」という事の大事さということでした。
福島に残っているというと、ほとんどの人が「なぜ避難しないの?はやく避難しなよ」といってくると。しかし補償金の下りない区域に住む人間は避難したら職を失い生活が成り立たなくなる。避難先では職と未来は保障されていないのだ。そういう現実があるのに、そこが考慮されてないでのアドバイス、これは自分の考えを善として他者を判断しているだけであり、相手の事を思った、相手に寄り添った立場での言葉ではないだろうと、そこに被災地の人たちは傷ついていくのだ、と。自分のこれまでの被災地の方々との関わりは、自分の善と思う行動を向こうでしてきただけで、向こうの心に寄り添ったものであったか。そう考えると、今まで目の前にいる被災者しか相手にしてきてなかったが、震災で命を失われた被災者の事も考えるべきで、そうすると来年の3月11日には追悼法要をするのもいいのではないか、というようなお話であったと思います。