人間と言うものは、時としてまったく予想できない場面に出くわすことがあり、
その時初めて相手の人間性を垣間見ることがある。
数日前にこのブログに書いた在特案件、誰もが無理だと断るなか、私は依頼者の
切実な思いと自身の経験から許可の可能性にかけてお引き受けした。
しかも、資金的に余裕がないと言うので、双方の合意のもと普段はしない成功報
酬の形で引き受けた。
がしかし。
在留特別許可がおりそうなニオイが漂い始めた頃から、急に依頼者と連絡がとれ
なくなった。
おかしいと思いながらも様子を見ていた私に、やっと依頼者から電話がきたのだ
が、その内容はあまりにショックなものであった。
開口一番、私に対する不満をぶちまけたのである。
依頼者曰く、入管とのやり取りで行政書士に在留特別許可について依頼しても何もやることは無く、基本的に本人達が動くことになり、口頭審理の立会いすら認められていない。また、提出された仮放免申請書には誠意が感じられず、あんな書類では到底仮放免など認められない。しかも入管は当方の手数料にまで関与して『高い』などと言っていたと言うのだ。
私は、依頼者が在留特別許可が出たのでお礼の一言でもあるものと考えていたが、依頼者が口にした言葉はあまりにもショッキングで失礼なものであった。
私は久しぶりに全身で怒りを感じ、同時に依頼者の裏切りに対して深く傷ついたのである。
さらに全部を信じるわけではないが、入管が言っていたという内容には、私自身心当たりが無いわけではないので、入管に対してもナゼそんなことを依頼者に言う必要があるのか、全くもって納得がいかない。
確かにいい加減で要領を得ない行政書士が多いことは私も認めるが、それは行政書士に限ったことではなく、私が接する限りにおいては弁護士であろうが他の士業であろうがどんな職業の人間でも、不真面目で不誠実でいい加減な人間はいるはずである。
それを行政書士に限定するような言い方をすることは、まことにもって納得がいかない。
入管に限らず、他の士業の方のホームページやブログにおいて、行政書士資格者全般をいっしょくたにして誹謗中傷する内容のものが見受けられるが、《自分達の足元をもっと見てちょうだい》と、言ってあげたい今日この頃である。
ちなみにこの依頼者からの〈成功報酬〉はいただきません。
どうせ払う気が無くそれが理由でいちゃもんをつけているのが見え見えなので、そんなやからを相手にしている時間があれば、新しい仕事を追いかけたほうが有益なのを、私は知っているからなのである。