昨日、表題のコンクールを聴いてまいりました。Hさんはご都合がつかず、今回も私ひとりで伺いました。結果は既報されてる通り

【第59回日伊声楽コンコルソ入賞者】
第1位 ソプラノ 川越 未晴
第2位 テノール 本多 信明
第3位 バリトン 宮下 嘉彦
五十嵐喜芳賞(本選出場のテノールの中で、特に将来有望と目される若手1名に授与)該当者なし
歌曲賞(本選出場者中、歌曲演奏に特に秀でたと認められた者1名に授与)川越 未晴

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
音譜出場者/演奏曲目
 1 砂田 愛梨(ソプラノ) ピアノ:篠宮 久徳
ヴェルディ《椿姫》より“不思議だわ…あぁ、彼だったのね~花から花へ”
プッチーニ《つばめ》より“ドレッタの夢”
トスティ:来てくれ!
 2 髙橋 大(テノール) ピアノ:林 直樹
ドニゼッティ《ランメルモールのルチア》より“我が祖先の墓よ”
〃 《愛の妙薬》より“人知れぬ涙”
トスティ:暁は光から
 3 宮下 嘉彦(バリトン) ピアノ:大貫 瑞季
ベッリーニ《清教徒》より“ああ、永遠に君を失って”
ロッシーニ《セビリアの理髪師》より“私は街の何でも屋”
レスピーギ:霧
 ~休憩~
 4 根本 真澄(ソプラノ) ピアノ:本郷 清華
ロッシーニ《ランスへの旅》より“私は出発したいのです~神様、ありがとうございます”
ドニゼッティ《ランメルモールのルチア》より“この世の苦い涙を”
レスピーギ:牧神たち
 5 益田 早織(メゾ・ソプラノ) ピアノ:齋藤 亜都沙
ロッシーニ《セミラーミデ》より“ひどい不幸の中で”
ヴェルディ《イル・トロヴァトーレ》より“重い鎖につながれ”
サンドナイ:八月の夜 
 6 奥秋 大樹(バス) ピアノ:渡邊 拓也
ヴェルディ《アッティラ》より“ローマの前で我が魂は”
ロッシーニ《セヴィリアの理髪師》より“陰口はそよ風のように”
レスピーギ:霧
 ~休憩~
 7 川越 未晴(ソプラノ) ピアノ:田島 葉子
ロッシーニ《セヴィリアの理髪師》より“今の歌声は”
ドニゼッティ《ランメルモールのルチア》より“辺りは静けさに包まれ”
アルファーノ:お母さま 若い王子様が
 8 黄 在麒(バリトン) ピアノ:齋藤 菜緒
ヴェルディ《マクベス》より“裏切り者め!イングランドと組んで私に刃向かうか!”
ドニゼッティ《ポリウート》より“麗しきあなたの面影で”
トスティ:夢
 9 本多 信明(テノール) ピアノ篠原 久徳
ヴェルディ《第一回十字軍のロンバルディア人》より“我が喜びで満たしたい”
ドニゼッティ《ラ・フォヴォリータ》より“優しい魂よ”
トスティ:暁は光から

<審査員(敬称酪・五十音順)>
市原多朗(審査員長)/片岡 啓子/河原 忠之/吉川 具仁子/小餅谷 哲男/斎藤 言子/出口 正子/並河 寿美/林 誠/林 康子/樋口 達哉/堀内 康雄/松本 美和子


※各出場者の曲目は必ずしも演奏順ではありません。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
砂田さんは2019年12月、霞が関イイノホールの第31回 令和2年度 五島記念文化賞オペラ新人賞選考会以来。

2017年4月、藤沢市民会館 第2展示ホールの“えつこの部屋Ⅸ”G.プッチーニ:オペラ《ラ・ボエーム》ハイライトステージ・ムゼッタ役<出演:谷池重紬子さん(ピアノ)、髙橋絵里さん(ソプラノ)、村上公太さん(テノール)、岡 昭宏さん(バリトン)、砂田愛梨さん(ソプラノ)、金子美香さん(ナレーター)>が初聴きでした。

奥秋さんは2021年8月、東京文化会館 大ホールの第19回東京音楽コンクール声楽部門本選<出場者:七澤 結さん(ソプラノ)、中須美喜さん(ソプラノ)、奥秋大樹(バス)さん、梶田真未さん(ソプラノ)、花房 英里子さん(メゾソプラノ)、指揮:大井剛史さん、管弦楽:東京交響楽団>以来。

奥秋さんはソロではないですが2018年、2019年と武蔵野音楽大学ベートーヴェンホールの武蔵野音楽大学室内合唱団演奏会でも聴いています。

川越さんは2022年12月、汐留ホールの「ディーヴァたちの饗宴」<出演:川越未晴さん(ソプラノ)、根本璃音さん(ソプラノ)、矢内玲那さん(ソプラノ)、梁瀬彩加さん(ソプラノ)、持田温子さん(メゾソプラノ)、寺本 佐和子さん(ピアノ)>に続いて。

初聴きは、その年の8月、東京文化会館 大ホールの第20回東京音楽コンクール声楽部門本選<出場者:黒田祐貴さん(バリトン)、前川健生さん(テノール)、川越未晴さん(ソプラノ)、池内 響さん(バリトン)、指揮:園田 隆一郎さん、管弦楽:東京フィルハーミニー交響楽団>でした。

本多さんは前回、第58回日伊声楽コンソルソ本選<出場者:今井実希さん(ソプラノ)、田中裕太さん(テノール)、本多信明さん(テノール)、一條翠葉さん(メゾ・ソプラノ)、澤原行正さん(テノール)、喜納 響さん(テノール)、高橋宏典さん(バリトン)、杉尾真吾さん(バリトン)、伊藤尚人さん(バリトン)、徐 大愚さん(バス・バリトン)>に続いて。

ここからが本題です~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今年のエントリーは119名(ソプラノ61名、メゾ・ソプラノ11名、アルト2名、テノール25名、バリトン14名、バス・バリトン4名、バス2名、自家用ジェット0名)だそうで、1次、2次予選を経て選抜された9名(ソプラノ3名、メゾ・ソプラノ1名、テノール2名、バリトン2名、バス1名)が本選に臨まれました。

日伊声楽コンコルソ本選に伺うは前回に続いてで、今回で4回目になります。

初めて伺ったのは7年前、第52回<出場者:川上晴央さん、仁戸部 桃子さん、但馬由香さん、田中大揮さん、澤原行正さん、小林啓倫さん、竹之内 淳子さん、ヴィタリ・ユシュマノフさん、小笠原 一規さん、髙品綾野さん>でした。

東京文化会館というが、あるというのは知ってましたし、日伊声楽コンコルソについても、ご縁があれば…と前から思っていました。

以来、誰が1位になりそう…だとかを偉そうに予想してますが、考えてみると(否、考えてみなくても)、長三和音て何?と聞かれても私は答えられませんし、8分の6拍子と4分の3拍子の違いが分からない人間が、専門的技量の巧拙を推し量れるわけがなく、まして作曲家の意図を汲み取った演奏がなされているか、なんて分かるもんだっちか←相当訛ってます

しかし、実際に演奏会を聴きに行くのは、殆どが私のような素人です。あんま広く知られてなくても、素人目線で惹かれる演奏家がいれば、その方を評価し微力ながら公知することは決して無駄なことではないと思っています。前回特にその思いを強く持ちました。

“野に偉賢あり”の印象を受けた前回。今回のレポは既に結果がわかってますし、私がナニナニ考えながら4時間強、椅子に座っていたかを最初から振り返っていくことにします。独り言だと思って最後まできっちり読み流してください...

トップバッターの砂田さん...登壇したときから堂に入っていて、歌良し、声良し、ヴァリアンテ実行、アピール性もある。抜群の習熟度。これがもしオーディションだったら、この場で即キャスティング決定。

髙橋さん...包容力が感じられるテノール。ただ優劣を競うとなると、他にない圧倒する部分が欲しい。

宮下さん...これはこれは何処かでお見受けしたお顔。何年か前にBS-TBS「日本名曲アルバム」昭和音楽大学合唱団で歌ってらした。

第一印象「若い」。押し出しで勝負するバリトンのうっとうしさがない。「テノールの宮下です」と挨拶しても違和感なさそう...でも、歌い出すと甘くて自然なバリトンボイス。如何にも…といった感じがしないバリトンは魅力的、ダークホースになり得る。しかし、3年連続昭和音大は、いくら何でも。

根本さん...歌唱の明瞭性が秀逸。超高音技術も持ってらして、自分の世界をつくれる方。初っ端の砂田さん(同じソプラノ)が記録した最大風速の衝撃が冷めやらぬうちに出番が回ってきてしまったのはアンラッキー。

益田さん...実は益田さんは初聴きではなく、砂田さんが審査に通った財団系の留学選考会で一度聴いています(もう時効だから書いてもいいでしょう)。あのときは益田さんが新人賞を獲得すると思いました。あれに比べると正直今回出来はいまいちだった印象。

奥秋さん...会場入り口で演目一覧を受け取ったとき、これは楽しみと期待した「陰口は...」のクレッシェンドも快調。しかし終盤高音が崩れてしまったのが惜しまれます。

川越さんは清澄系。声の透明度ナンバーワン。金属音が苦手な人たちにも受け入れて貰える貴重なソプラノ。オーバーHigh-Cの技量もある。今回もHigh-D辺りまで出されていた気が。

黄さん...伸びやかで素晴らしいバリトンですが、若干きめ細かさを欠いていた印象。

本多さん...名古屋大学医学部卒の医師(耳鼻咽喉科)で、二刀流です。「さあ、次の方...」と言い出しそうで、落ち着いた雰囲気。演奏の印象は昨年とは全く違ってました。最後の最後テノールの光りビームが会場に突き刺さりました。

開演前、私に声を掛けてくださった奇特なマダムは、川越さんのファンだそうで、終演後「川越さん相当緊張されていたご様子。本多さん素敵、お医者さま?お金持ってそうお金

審査結果が出るまでの間、Hさんに私の予想をLINEしました...

「本多さんが、直線ラスト大外から一気に駆け上がって差し切った感もある。あと砂田さん、益田さんの迫力系を取るか...川越さんの声の綺麗系を取るか...結論:面識のある川越さんを心情的に第1位とし!2位、3位は本多さん、砂田さん、益田さんの争いで順序は付けられず」

審査結果発表まで、30分以上掛かったと思います。司会の女性(意外と可愛いお声←ソプラノ・リリコ・レッジェーロに違いない)「大変長らくお待たせいたしました。幾ら年寄りで暇を持て余しているとはいえ(←こんなこと言ってない!言ってない!)」

第3位から発表...名前が読み上げられると、客席から軽いどよめきが。宮下さんご本人も一瞬驚かれた後は「俺、やっちゃったよ、ヤバイよ、いいの?」といった雰囲気。

第2位の発表、これは意外というより「へえ、そうきたか…でも、あるかも」と客席から無言の反応。

客席が静まりかえり、いよいよ第1位の発表です。胸が締め付けられるような思いの7人「私はないでしょうけど、もしかしたらあるかも、イヤイヤそんなこと考えちゃ駄目駄目」、そこに「川越さん」のアナウンス。

それにピクッと反応した川越さん(「え、まさか」)。母親と以前コタツでうたた寝していたら、母が急に「ガクン」として、「ママ、どうしたの?」、「崖から落ちた夢見てた」、あのときって本当に体がガクンとするもんなんですね。

大変失礼しました、どうでもいい話でしたね土下座それに今回はピクッでしたね、ガクンじゃなかったですね。

表彰のあとコメントを求めらた川越さん、感極まって言葉が出ません。私もそのとき余程「ファイト!!」と(体育会系のノリで)声を掛けようと思いましたが、クラシック音楽の会場なので、思い留まりました。

今回も予想は当たらずと言えども遠からずでした。宮下さんはノーマークに近かったです。まっさらの状態の方が伸びしろが期待できそうです。

兎にも角にも出場者、ピアニスト、審査員、その他関係者の皆さま、長い時間お疲れさまでした。

~余談~

近年魅力的な演奏が聞かれなくなったのは、コンクールが原因と榎田雅祥氏が説いておられます。順位をつけるとなると、どうしても減点法式になってしまう、コンクールで未完の大器は発掘できないか...



暑い、暑い、とにかく暑い。そこで涼を呼ぶ画像を...アイスキャンディー<左からイチゴ・サツマイモ・オレンジ・小豆・レモン味>葛を使っているので溶けてもぷるぷる。



「甘い物ばっか食べてないで、野菜など摂るなどして、ちゃんとした食事を…」という心の声に耳を傾けることをせず、今回は“入手困難な北海道のスイーツの特集”で~す♪



左は究極のスイートポテトと評判の札幌ラ・ネージュのスイーツです。焼き芋とスイートポテトをドッキングさせたユニークなもので、ベース部分の焼き芋のバター&生クリーム&塩味が効いています(皮ごと食べられます)。奥は今年の新製品かも?「濃厚生クリームパフェ」スイートポテトの入手は出張販売でのみ可能。

右のはOKASHI GAKUのショートケーキ缶です。こちらも東京に販売店舗がない模様、出張販売もしてないので(他の缶とのセットでなら通販で入手可能)、単品での購入は、都内に3か所ある自動販売機でゲットする(夜遅くか朝早めに行ってみる)以外手はないようです。アーモンドの粒々が入っていて、なかなか個性的なお味です。

足で稼いだ情報をまとめてみました、ご興味ある方は...渋谷・宇田川町交番向かいのゲームサンター3階に自販機1台設置。

東京ソラマチ1F・イーストヤード10番地。裏口の従業員通用口付近の目立たない場所に自販機2台設置。

東京メトロ半蔵門線「押上」駅B2出口付近。四ツ目通り・業平四丁目交差点角に自販機2台設置。

自販機はこんな感じです。ちなみに「押上」駅近くの自販機が穴場です、朝9時~10時位までならショートケーキ缶が大抵売り切れずに残っています(確約はできませんが)。以前ダメ元でお昼前、渋谷のゲーセンに寄ってみたら、ふわ缶(マンゴーとシフォンと生クリーム)が買えました。



追加画像



私のしたことか...先日、帽子にブランドタグを付けたまま外出してきました(何か頭の上の方で時々カラカラと音はしておった。この撮影のあと切り取りました)。プライスタグは切り取ってあったので大恥を掻かずに済みました。



この帽子を被って行った先は、墨田区押上。向かう電車の中で、マスクをしている人が少数であることに気付きました、割合にして2~3割(街を歩いている人たちも同様)。その2週間前、洗足音大にコンサートを聴きに行った時と、割合が逆転していて、2週間で世の中の流れが変わったと実感しました。私はというと、マスク生活からいまだ抜けきれずにいます。マスクに切り込みを入れて、食事(主に植物性プランクトン)はそこから、就寝時はそこにストローを差して寝ています。


次回のブログ更新はメモ9月下旬(ローマ歌劇場公演《トスカ》<指揮:ミケーレ・マリオッティさん、演出:フランコ・ゼッフィレッリさん、キャスト:ソニア・ヨンチェヴァさん、ヴィットリオ・グリゴーロさん、ロマン・ブルデンコさん、ドメニコ・ニライアンニさん、ルティアーノ・レオーニさん、サヴェリオ・フィオーレさん、リオ・ポール・シャロットさん、ファビオ・ティナッリさん、末光朔大さん、合唱:ローマ歌劇場合唱団、管弦楽:ローマ歌劇場管弦楽団、児童合唱:NHK東京児童合唱団、他>@東京文化会館 大ホール 9/21 のレポ)を予定しております。


マタネ