ナトリウムとは、人体に必要なミネラルのひとつ

 

ナトリウムは、人体に必要なミネラルです。ミネラルとは、体のさまざまな機能の維持・調整を担う5大栄養素のひとつで、ナトリウムのほか、カルシウム、リン、亜鉛、カリウムなどの総称。ナトリウムは体内で合成することができないため、食事からとる必要です。

ナトリウムの働き

 

 

ナトリウムには大きく、3つの働きがあります。ナトリウムが不足すると生活に関わる問題がいくつも起きるため、常に必要量を維持しないといけません。

浸透圧の維持

細胞の中と外には、小さな粒子だけが通れる細胞膜を隔てて、濃度の異なる細胞内液と細胞外液が存在しています。また、2つの液体のあいだには、濃度の高い液体が低い液体を引っ張って移動させ、浸透圧と呼ばれる力が生じていますよ。この浸透圧を維持し、細胞外液の量を一定に保っているのがナトリウム。ナトリウムがあることによって、体内の水分量が維持できています。

血圧の維持

ナトリウムが増えると、血液の浸透圧を一定に保つために血液量が増えます。すると、心臓から送り出された血液が、血管の壁を押す力である血圧も上昇。この働きによって、血圧は正常な範囲に収まっています。

神経の刺激伝達や筋肉の収縮

ナトリウムは、神経の刺激伝達や、筋肉の収縮にも関わっています。心臓の筋肉である心筋も、ナトリウムの濃度に影響を非常に受けていきます。

ナトリウムと食塩は同じ?

 

 

「ナトリウム=食塩」と、認識している方は多いのではないでしょうか。しかし、ナトリウムと食塩は同じではないです。一般的に販売されている食塩は、ナトリウムと塩素がイオン結合した塩化ナトリウムの純度が99%以上。なお、食品に含まれるナトリウム量から、食塩量を換算した値が食塩相当量です。計算式は次のとおり。
<食塩相当量の計算式>
食塩相当量(g)=ナトリウム量(mg)×2.54÷1000

ナトリウムの摂取に関して?

 

 

ナトリウムは、多くとりすぎても、少なすぎても体に影響を及ぼすことがわかりました。では、ナトリウムはどれくらいを目安に摂取すると良いのでしょう。ナトリウムのとりすぎは塩分過多に直結し、健康リスクを高めます。

ナトリウムを多く含む食品は?

 

 

ナトリウムは、醤油や味噌といった調味料のほか、加工食品などに多く含まれます。ナトリウムをとりすぎないようにするために、どのような食品にどれくらいのナトリウムが含まれるかを知っておくといいでしょう。

食塩

食塩100gあたりのナトリウム換算量は、39,000mgです。大さじ1(15g)にはナトリウム5,850mg(食塩相当量14.9g)が含まれます。食塩を使う頻度や量を減らすのが減塩のセオリーですが、すべての料理が薄味では物足りず、長続きしないです。一品は普通の味付けのメニューを組み合わせるなどして、減塩継続が重要になります。

味噌

味噌は、大豆や米、麦などの穀物に麹と食塩を加え、発酵・熟成させて作ります。長期保存を前提とした調味料である味噌を作る上で、食塩は欠かせない存在です。大さじ1(18g)に含まれるナトリウムの量は882mg(食塩相当量2.2g)です。味噌汁などを作るときは、塩分排出効果があるカリウムを多く含む食材を具に使ったり、だしをしっかりとって味噌を控えめにしたりすることもおすすめ。

醤油

醤油の基本的な材料は、大豆、小麦、食塩です。食塩は、醤油を雑菌から守る重要な役割を果たしています。ただし、醤油には100gあたり5,700mg(食塩相当量14.5g)、大さじ1(18g)あたり1,026mg(食塩相当量2.6g)のナトリウムが含まれているため、使いすぎは禁物。少量で食材のおいしさを引き出す醤油の特性を活かして、適量を意識しましょう。

中濃ソース

揚げ物にかけたり煮込み料理の隠し味にしたりと、食卓に欠かせない中濃ソースには、野菜や果物、トウガラシ、しょうが、酢などが使用されています。100gあたり2,300mg(食塩相当量5.8g)、大さじ1(21g)あたり483mg(食塩相当量1.2g)のナトリウムを含んでいる。