小学校時代の友人の結婚式に参加した男は、
三十年振りに再会した級友らと一時を過ごす。
その最中で話題になったのは、小学校の頃の担任である一人の女教師だった。
すぐにヒステリーを起こし、暴言や中傷めいたことを言い放ち、
次々と問題ばかりを起こして生徒全員から恐れられていた存在。
だが、最悪の教師の思い出話は記憶を掘り下げることで不惑を生む。
そういえばあの教師は、殺害されたのではなかったか?
あやふやな記憶が掘り下げられる毎に補完されていき、
過去に起こった殺人事件の詳細が浮かび上がってくる。
被害者は誰だったのか、そして加害者は誰なのか。
封じ込められていた記憶が示す真実とは……っていう、よもやま話めいたミステリ。
主要となる人物二人が思い出話から当時の状況を推理し、補完し、
何が起こったのかを突き合わせながら進んでいく。
その中で再三話題になるのが、記憶は主観によって想像されるというもの。
いくら見た聞いたと言ったところで過去のことは曖昧でしかない。
そういったお断りを繰り返されながらの推理は、ややじれったいものがあった。
最終的に一つの推測に辿り着くものの、いかんせん過去の出来事なので、
すかっとするような満足感は得られなかったかな。
ただ、当初の被害者として挙がった人物の変遷は面白かった。