博多で育ち、博多で生活する女と、
かつて博多で生活していたものの、博多を離れた男が再会する。
仕事を切っ掛けとした偶然だったが、
女は男に対して淡い思いを抱いており、
男は女から極度のトラウマを植え付けられていた。
高校時代の思い出とすれ違いからぎくしゃくする二人は、
博多の裏の世界、羽片へと迷い込んでしまう。
そこでは福岡と博多を巡る争いが繰り広げられていた。
福岡を博多に変化させようとする者たちと、
それを阻止しようとする者たちとの戦い。
博多で育った生粋の博多っ子と、
かつて博多で育ったものの博多を忌み嫌う男。
二人が力を合わさなければ、福岡と博多を救うことは出来ない。
その争いの行く末は……
っていう、福岡と博多の名所やら名物やらを散りばめながら繰り広げられる、
福岡と博多を舞台にした風変わりな争いの話。
作者の持ち味? ちょいとおかしな世界観が福岡と博多に固定されているものの、
裏の世界やそこで行われる争いやら、やっぱりどこか奇妙な雰囲気を醸している。
とはいえ、ほとんどトリビアのように福岡や博多の豆知識がこれでもかと紹介される。
おまけに登場人物のほとんどが博多弁なので、
地方における愛着めいたものが無ければ読みにくさがあるやも。
ただ、会話文が多めで特殊な世界観に対する言及も抑えられているので、
のめり込むというよりは、さらりと読み進められた。
盛り上げ所も外さず、短編のバスジャックのように気持ちが良い締め方だった。
どうやらラジオドラマになっているようで、今年の三月まで聞けるらしい。