主人公は一枚の写真を前にして愕然とする。
そこに写っていたのは、高校時代に想いを寄せた少女だった。
だが、少女は既に亡くなっており、
少女を殺した犯人は未だに特定されていない。
本来なら写真に写っているはずのない彼女は誰なのか?
物語は過去に飛び、主人公と少女の出会いから語られる。
亡くなった主人公の母親は趣味で小説を書いており、
幾つかの作品を同人誌で発表していた。
それが切っ掛けとなり小説の執筆に熱を上げる少女と親しくなり、
やがて少女は賞を獲得して有名人になる。
一方で主人公は文芸部の習わしで冊子に載せる短編の執筆に追われていたが、
一文すら埋められずに途方に暮れていた。
締切が迫る中、ふと邪な考えが浮かぶ。
それは亡き母の残した原稿、誰にも見せていない短編小説を剽窃することだった。
たかが部活動なのだからと母の原稿を丸写しした主人公は、
冊子に載った短編が好評なことに胸を痛めながらも日々を過ごしていく。
そんな中で少女と再会し、束の間の後、少女は死体として発見されて……
っていう、写真から少女を思い返して死の真相に辿り着く話。
いつもの? ように推理合戦ものかと思ったらそうでもなく、
主人公を含めて登場人物たちや伏線めいたものが散りばめられていて読み易かった。
回想から現代に戻ってからの推理も飲み食いしながらの軽いもので、
キーワードを拾い上げながら真相に到達、
その真相が主人公の心境と深く繋がっていて余韻を残すっていう。
決してハッピーエンドではないけど、過去のもやもやが晴れる終わりにすっきりした。