4月 桜が終わりに
近付いた頃
人の気配が
全くしないある公園へ
老夫婦が入って行った。

するとどこからともなく
次から次へと
猫が現れて
老夫婦と歩調を合わせて歩き
時にはスリスリと
顔を夫婦の足に擦り付けていた。

良いなぁ。
思わず後を追うように
付いて行った。

すると
やはりというべきか
餌やりさんだった。


足音にチラッと

こちらを向いて


なーんだとでも言うように

前を向いて歩き出した。


花曇りの日が多かった

今年の桜のシーズン。

盛りを過ぎてから

ようやく青空を見せてくれた。


人の往来の少ない場所で

ひっそりと咲く

桜の木の下でお腹を満たせば

儚い花を見上げることもなく

トボトボとその場を後にする。


舞い落ちた花びらたちを

踏み締めて


花には無関心なのに

何故か絵になる存在。


興味の先は花ではなくて

山吹の下に佇む他の個体。


なんだ 君か

そんな感じで通り過ぎていく。

平和条約締結中の

相手だったよう。

平和が1番。


こちらは多分きょうだい。


片方はどこかへふらふら。


もう一方は食休み。


山吹の下でじっとしたまま

動かないキジトラの子。

わずかな木漏れ日を

浴びながらゆっくり休む。


お散歩から戻ったけど

次の場所が気になる様子。


のしのしと緑の中へ。


何の用?


木陰でゆっくり休もう。

もう うつらうつら。


そよ風が吹き抜けた枝と

枝の間の花は散り

葉桜が目立つ。


足元にも春を感じて。


今回は猫たちの命を守る為

あえて場所は明かさない。