それは随分前のこと。
関西在住の友人と彼女の車で向かった伊勢神宮。
まるで牛車の様な速度を強いる渋滞だった。

外宮→ 夫婦岩→ 内宮へと到着した時はもう夜だった。
彼女に聞いた珍しいうどん、伊勢うどんを提供する、全てのうどん屋が暖簾を下ろしていた。

名古屋から鳥羽へ行く途中には伊勢市駅(外宮)と五十鈴川駅(内宮)がある。

伊勢うどんを食べるのなら、内宮に隣接する参道、門前町でリベンジを果たしたい。
そんな思いで帰路は五十鈴川駅へ。(ブロ友さんに教えて貰った)

有り難いことにバスはすぐに来た。
鳥羽から向かう電車内で、内宮まで行くのにうどんだけって‥‥神様へのご挨拶もせず、申し訳ない気持ちに駆られた。
喪中期間は神社は御法度。
そう聞いてずっと守って来た。
つるみんさんにも今回は熱田神宮も行かれないと告げていた。

確認してみよう。
普通に調べると死穢れの為駄目と出るはずだから。
伊勢神宮 喪中
で検索をかけた。
すると、忌中(神道では死後50日)以外は大丈夫と出た。

誓いを破る後ろめたさを感じつつも、ここは日本中の神社の総本山だから、きっとお許しくださるはずと鳥居を潜る。
すごい人だけれど、想像に反してスムースな流れ。

手水舎の後に途中見えた五十鈴川に寄り、手を浸す。

前回は夜だったのに混んでいて、参拝は列に並んでの順番待ちだったけど、今年は順調に参拝出来た。
喪中であることを心から詫びて、勿論個人的な願い事はせず、来させていただいた感謝を述べた。

ご神霊がきっとお宿りになっている大木には、次々と人が集まり、手を触れてパワーをチャージしていた。

数多(あまた)の人に触られて、木肌がツルツルに。

神楽殿と五丈殿の間にある四至神(みやのめぐりのかみ)。
社殿を持たない神様は境内の守り神。

初々しい巫女たちは注目の的。

池の錦鯉たちの大きさにはびっくり。


その場を一度離れて戻ると、先程まではいなかった今年の干支の実物が木の上に。
威風堂々とした佇まい。
さすが今年の主役。

最初はオスとメスの一対のペアがいて、
しばらくするともう一羽の雌鳥が私の右耳をかすめる様に飛んで来て、木に止まった。
本当にびっくりした。
両手に花の雄鶏は意気揚々。

さて、時間は17時15分前くらい。
本当はこのハート石を見つけに行きたかったのだけど、あくまでも伊勢うどん、今度こそ!と諦めた。
拝借画像

向かったのは門前町のおはらい町。

いくつかの伊勢うどんを扱う店舗をチェックして、数軒目。
自家製麺の宣伝に惹かれてここに決定。
勿論、迷うこと無く伊勢うどんをオーダー。


しばらくして運ばれて来た。

え!?
これ、伊勢うどん?

あの〜、伊勢うどんを頼んだんですけど
とカウンターまで行き、店主に話しかけた。
ああ、伊勢うどん初めてですか? ちょっと驚くでしょう?
いえ、伊勢うどんを頼んだんですけど、あれは伊勢うどんなのでしょうか?

確認してもらって、慌てて取り替えますと、替えてもらった。
申し訳ない気持ちでいっぱいだったけど、並々ならぬ思いで伊勢まで来たのだから、ここは譲れない。
柔らかくてコシの無いうどんに、たまり醤油を絡めて食べる。
前回あまりにもガッカリした私に、関西のスーパーで売られている伊勢うどんを友人が送ってくれた。

当時関東のスーパーに伊勢うどんは置いてなかった。

ようやく本場の伊勢うどんにありつけて嬉しかった。
でも素直に喜べず心中複雑だった。
謝罪をたくさん述べて店を後にした。