鎌倉。荏柄天神社から徒歩で次の目的地へ。

道路沿いの川に鯉や鴨が泳ぐ。

急ぐ事もないと、暫し見下ろす。
生き物たちが安心して生きられる場所が、人の棲息地域にある事は微笑ましい。

一横浜市民さんのリクエストで、竹で有名な報国寺へ。

ここを訪れるのは2度目。

竹林までのアプローチは苔むす枯山水の庭。

憂いを含んだ観音像。


ここにも枯山水庭園。


穴( やぐら )の中には五輪塔。
 開基と言われる足利尊氏の祖父 足利家時や、僅か10歳で自刃した足利義久などが眠る墓となっている。
義久の死を以って、ここ報国寺は東国に於ける足利公終焉の場所となった。

人は二度死ぬ。
この世から消える時。
人の記憶から消える時。
ここを訪れる殆どの人は、悲しい歴史の舞台であることを知らない。

青い竹や緑の苔に彩られた寺。

密集した孟宗竹の竹林の合間から、茶席の灯りが見える。

木漏れ日が竹の葉の緑に濃淡を作る。
空間を覆う葉を支える竹はシルエットとなって、ここでは脇役に徹して見える。

竹のしなやかさの理由はたくさんの節。
この節があるから強くいられるんだね。

試練を乗り越える度、鍛えられていく。
人生の手本は自然の中にある。

心の疲れが溜まったら、浄らかな場所で荷物を降ろして行くのもいいかもしれない。


2019  1月下旬