人生は小さなことから大きなことまで選択の繰り返し。
出来れば一挙両得と行きたいけれど、そう上手くはいかない。
心の迷い、選ばなかった方への心残り。
振り子のように揺れる想い。
想像を超える距離。
時々湧き起こる不安を抱きながら、ひたすら歩いた。
人に訊きながら。
杉の木立を抜けて
恩賜公園と関所の両方は無理だね。
どっちかだね。
見知らぬ人は言う。
二者択一。
時間とのせめぎ合い。
どちらかを選び、どちらかを諦める。
せっかくここまで来たのに。
あなたならどちらを選びますか?
そりゃ、恩賜公園だよ。
湖畔展望館からの眺めはいいよ。
でも、関所の上からの眺めもいいわよ。
夫人は言ったが、ご主人は恩賜公園の方が断然いいと言った。
選んだのは恩賜公園。
坂道を息を切らせながら延々と上った。
合間から見えた絶景が背中を押してくれた。
それでも思考の片隅から聞こえる囁きは、急げば隣の関所も行けるかも。
顕在意識の返事はNO❗️
いくつもの誘惑がビュースポットへと手繰り寄せるから。
絡め取られた心は逃れられない。
気分はまるで探検家。
誰もいない木立や湖のほとりを歩き、ワクワク気分を味わった。何度も繰り返す上り坂に乱れる息。
やがて終わりが見えて、辿り着いた関所資料館。
閉館後でも親切にバス停を教えてくれた。
皆さまへ、ありがとう。