ティップを突き出せば届きそうな距離。

敢えてピッチングや送り込みはせず

キャスティングでの打開を追及した     

その先に見えてくる、

超ショートキャストの小宇宙

                       

 
 
グリップエンドを前腕に押し当てながら
手首を返してロックする。
最短 最速 最小限の動きで全てを制御し
小宇宙を引き寄せる、                               

至近距離 クイックバックハンド

 

1.たたんだ腕は決して振らず押し出さず、むしろ引く。
2.軌道を変えて急減速、静かな着水。

 

 
 
セッティング、筋力、技術、各要素の完成度が
ある水準にまで達している時、
 
射出から1秒前後の滞空時間を経て              
威力を保持したまま水面へ向かうルアー。
そのGを抑え込むと同時に
ロッドも体もピタリと止まり、
全てのバランスが釣り合うその瞬間に
それ は強く感じ取ることが出来ます。    
 
 
力むことなく腕は振らない押し出さない
だから、あわただしさは感じず
着水まで息つく暇もないはずが、         
逆に余裕さえある不思議な感覚です。
   
 
 

突き詰めて気が付く、いつでもそこにあった小宇宙

 
例えば
太くて硬いティップのショートロッドを
バックハンドで急反発させ、
スカート増量ルアーを、
3m先に向かって投げる人が、
この地球上に何人いるかを考えると
ほとんどいないかもしれません。
 
この状況だと普通は
ピッチングすると思いますが
ピッチングでは、
それ に気付くことはできません。
 
フォアやバックハンドで投げ続けて
上手くいかないからまた試行錯誤する、
を繰り返して辿り着きますが
この小宇宙は、例え水辺でなくとも、
道具とスペースさえあれば
いつでもどこでも、それを体感できることから
それは目の前のどこにでもある
という言い方が出来ると思います。
 
 
ちなみにここで言う小宇宙とは
試行錯誤の段階で気が付く
その奥深さのことではなく
試行錯誤を終えて全てが揃った後、
満を持して、それを実践し
その時に得られる高揚感を伴う達成感、また
それと同時に感じる、ほんの数秒間の無  の
ことだと理解しています。
 
 
 
 

たかが小手先 されど小手先

 
ベイトキャスティングという
ニッチな世界のさらに枝葉の部分で
場合によっては小手先、ちょい投げ、と
軽んじられることもあるショートキャスト。
 
そして、ほとんど知られてもいない、傍から見れば
滑稽に見える可能性さえある超ショートキャスト。
 
超ロングキャストと比べるとスケールも小さく
一見地味かもしれませんが、深淵的な意味での
スケールの大きさは超ロングキャストに
勝るとも劣らないものを秘めていると思っています。