ショートキャストでルアーを静かに着水させる

スカート増量ルアーを使っての
[極限までの静かな着水]に焦点を当ててみます。
着水音がなってしまう原因を5つ挙げると

 

1,

放物線を描いて上から下に落ちる

ラインにたるみがあるので糸の切れた凧のように

制御不能で水面に激突します。

 

 

2,

サミングをかけた時にルアーが下へ急降下する

(オーバーヘッドライナー)

ティップでコンパクトに弾き出す斜め下へ向けた

直線的な弾道でサミングすると下へのベクトルが働き

ルアーが水面を叩いてしまいます。

着水する瞬間にティップを上に引き上げショックを

吸収することで、ある程度抑えることは可能です。

 

 

3,

ルアーが水面スレスレに飛んでいても

勢いを止め切れず水面激突

ラインにたるみが無い低弾道でも

サミングを効かせ切れていないと

オーバーランで水面を叩いてしまいます。

 

 

4,

ルアーを左右へ曲げると勢いを止め切れない

サミングとロッドワークで鋭角に左右に曲げると、

その反動でルアーが加速したように見えます。

その後制御できずにルアーが水面を叩きます。

 

 

5,

ルアーが高速回転し着水時にブレードやスカートが水面を叩く。

硬いショートロッドを使い、

ある特定の構えから硬いティップで

瞬間的に弾き出すことで

意図的に起こすことが出来る現象で

ルアーそのものが高速回転し着水時に

ブレードやスカートが水面を叩きます。

また猛烈な糸ヨレも発生します。

 

ただし悪い面ばかりではなく

キリモミ状態で急降下するトンボを再現できるので

弾道のバリエーションという観点から見ると

可能性は感じます。

記事㉞に書いた[空中での音]と共に、

この[飛んでいるルアーを動かす]というのは

この釣り方をもう一段階上に引き上げる可能性があります。

 

ルアーがホップする弾道で投げる

ルアーが上から下へ落ちる、のではなく

ティップを上げながらサミングをかけた時に

真上に浮上するベクトルを持たせた弾道で投げることが

ルアーを静かに着水させる上で重要であることがわかります。

 

そういうことからティップを真下から真上へ

振り上げることが出来る、曲がるロッドを使っての

サークルキャストと呼ばれる投げ方は

ルアーを[極限まで静かに着水させる]うえで最適な投げ方だと言えます。

ちなみに記事㉕の[軌道を変える]もこれと理屈は似ています。

 

 

ルアーを静かに着水させやすいロッド

ルアーを着水させた時と同じタイミングで

ティップが急激に戻ってしまうと

その反動がルアーに反映されてしまい

こっちへ引っ張られ着水が乱れるので

そうならない調子のロッドが適しています。

 

ルアーウェイトでも変わりますが

ティップが急激に戻らないロッドを簡単に言うと

 

1. 柔らかい低弾性カーボンロッド、グラスロッド

 

2. 急激にサミングをかけてもティップが引き込まれない

  先端まで硬いロッド

 

3. ルアー着水時とティップ戻りのタイミングが

  かぶらない調子・弾性のロッド

 

2は片手でのサークルキャストは出来ないので、

 ほぼバックハンド専用になります。

 

スカートの量

スカート数を多くしウェイトを軽くすれば、

なんとなく静かに着水させやすくなると感じますが

スカート増に伴い増大した空気抵抗はサミングをかけた時、

急激にルアーを失速させ、サミングをかけながら

低弾道の航続距離を伸ばす事を難しくします。

サミングとロッドワークで弾道をコントロールするには

スプリットシンカーなどの重りをプラスして

推進力を増す必要があります。

 

飛ばないセッティング

コントロールされた弾道というのは

常にラインが張っています。

極めて回転が悪いスプールベアリングを装着した

ベイトリールはブレーキは全てオフでも

過剰に回転することがなくサミングの負担を

減らせると同時にサミングレスポンスも良くなります。

 

また回転が良いベアリングでブレーキを強くした時とは

フィーリングが異なります。

 

ルアー着水時に均衡がとれる一瞬の間

これまでに何度かタメが効いた着水という

表現を使ってきましたが

それは水面に触れた瞬間のスカート増量ルアーと

手に握ったロッドとの均衡が一時的に保たれた状態であり、

最後の最後まで弾道を完全にコントロールする

という表現も大げさではないと思っています。

 

オープンな場所で6フィート前後の

ライトパワー程度の低弾性カーボン

またはグラスロッドを使い片手のフォアハンドで

押し出すように投げルアーの重みとG、

そして着水時の均衡の間を感じながら

[極限までの静かな着水]をゆったりと愛でること、

それだけを目的にしても十分楽しめます。