[連結してボリュームを増したトンボ] 

 

岸際の水面直下にバスがおり

そのバスの頭上で1匹のトンボが

速いスピードでUターンする、を繰り返していました。

トンボは水面から10数cmぐらいの

高さを飛んでいましたがそのバスは全く反応しません。

ところが3匹のトンボが連なるように、

その同じコースを辿った瞬間

それまで微動だにしなかったバスが、

急にそれらの後を追いかける仕草をしました。

これはボリュームが大きくなり

バスに発見されやすくなったためだと考えられます。

 

[空中での音]

 

トンボが飛び回っている近くで

聞き耳を立てていると

1匹のトンボが急激に反転した時や

数匹でチェイスし合っている時など

パタパタ、パサパサという羽根の音が聞こえます。

そういった音が水中のバスにどれだけ

聞こえているかはわかりませんが

セミなどが鳴いていない静かな状況で

バスが水面直下に居た場合

そういった音も聞こえているかもしれません。

 

そういった音がバスに聞こえていると仮定すると

トンボや他の飛行生物が空中で出す音も再現出来れば

それが低弾道 急減速と合わさることで

さらにマッチザベイトの完成度が高まることになります。

 

飛んでいるルアーから魅力的な音を出すには

例えばバズベイトを投げた時

稀にペラが回転し音を出しながら

飛んでいく場合がありますが

この飛行中に回転するペラにヒントがあるように思います。

 

[チョウも喰われていた]

水面から10cmほどの高さを

茶色い羽根のチョウがひらひら飛んでいて

垂直護岸の壁に張り付きました。

その一部始終をギルとバスが見ており

そのまた一部始終をこちらで見ている状況です。

 

チョウが壁に張り付いてすぐに

ギルがジャンプしますが

口の小ささが災いしたのか、

あっさり逃げられます。

そのチョウは同じ高さを維持したまま

横に移動し今度はギルの横に居たバスが

それを追いかけチョウが壁に張り付いた瞬間

ジャンプして見事に捕食しました。

そのバスは20数cm程度でしたが、

すかさず低弾道でルアーを送り込むと

猛烈に反応し、その後何度もスイッチが入る状態でした。

 

チョウは羽に色が付いており、

さらにひらひらと不安定に飛ぶことから

一見ボリュームは小さくても

バスに発見されやすいと感じます。

そのチョウが飛んで逃げる時も、

その不安定な飛びに対して

バスは速度調整して間合いを詰めるような

動きをしていたので飛んでいるチョウの

全てが見えていたようです。

 

飛んでいる生物の捕食に成功し

飛んでいる生物も食える、と知ったバスは

知らないバスよりも低弾道 急減速に

より反応しやすくなると思います。

 

ちなみにそのバスが口から何かを吐き出したので

羽根かと思いながら水面に浮いたものを

竿先で触ってみると鱗粉でした。

羽根や足などの部位は一切なく

そのバスは粉だけを選別して吐き出したので、

その繊細さに驚かされました。