走行距離:149・20km
昨夜はまたもや夜遅くまで、福岡のおばちゃん夫婦、シュンくん、山内さんに付き合ってもらって夜会をしてもらった。
おみやげに天草のウニまでもらっちゃった!

6月に世界一周スタートのため、再訪すると言えど別れはつらい。
照れや淋しさ見え隠れしながらのお別れ。
ほんとに会えて良かった。
ほんとにありがとうございます!
次は4ヶ月後だね!
朝はシュンくんとともに目覚めて別れを言う。
昨日もマンガ話なんかして、かわいい後輩が出来たみたいで嬉しかった。

天気はあいにくの曇り空。
午後は氷雨となるらしい。
しからば雨が降る前に進もう。
福岡三大大社の宗像神社を越え、17年ぶりのスペースワールドを抜け、レトロの門司港を駆けていく。
PM12:00、走行距離60km過ぎ。
ついにやってきた。
懐かしの下関大橋。

日本一周するチャリダーにとって再訪の地が主に4ヶ所ある。
(1)青森港(or大間港)→北海道一周
(2)しまなみ海道→四国一周
(3)鹿児島港→沖縄周遊
そして一番期間があいて戻ってくることになるのが、
(4)下関トンネル→九州・沖縄一周
自分の場合は約3ヶ月ぶりになる。
3641mのトンネルを歩きながら、今までの3ヶ月をゆっくり思い出す。
どれも鮮明で宝箱のような思い出。
今でも磨きたてのようにキラキラ輝きを失わない。
「あ~行橋のいとこは元気かなぁ~。
鹿児島の大学生は就職出来たかなぁ~。
喜界島の姉妹は仲良くやってるかなぁ~。
沖縄で会った多くのチャリダー達は今何してるかなぁ~。
台湾の人たちにはほんとにお世話になったなぁ~。
古薗さん無事にインド走れてるかなあ~。
五島列島の岩崎さん夫婦、今も二人でバイク乗れてるかなぁ~。
佐世保の佐野さん夫婦は風邪引いてないかなぁ~。
福岡ではマサさん始め、福岡のおばちゃんといい、ほんとにいい人達に会った。
諏訪、東京、福岡と第三の故郷となったなぁ~。」
思い出したらキリがないが、しっかりとしっかりと噛みしめた。
福岡側から見るこの県境。

「よっ~とっ!」
ジャンプして越えてみた。
こうやって世界中の国境を越えてやるぞ!
次はどこかなぁ♪
懐かしの下関を走る。
天気予報通りに次第に雨が降る。
「プルルル…」
福岡のおばちゃんから電話だ。
なんとグループ会議の結果、雨が心配で車で後を追ってこようとしてくれたらしい。
ほんとにほんとにありがたい。
各地からたまに頂く出会った人からの電話。
こちらからはなかなかお礼が出来ていないのが、ほんとに申し訳ない。
しかしほんとに心が暖まる。
その声ひとつでどれだけ体が楽になって走れることか。
自分の訪れを待っていてくれる人がいるだけで、どこまでも走れる。
これが究極の燃料“人”。
『不安になる未舗装の道。
手にした地図には夢町の文字。
途中下車を繰り返し目指す夢町。
進むも引き返すも留まるも自分次第。
カバンにはいつの間にか増えた沢山の人の想い。
積み荷の重さが重い分だけ一歩進むのが嬉しい。
動きだせ!
走りだせ!
飛び出せ!
おぐソーヤ!
少年のような心をいつまでも忘れずに!
初めて見た夢町の文字の興奮を忘れずに!』
無我夢中に走り続けた。
いくつもの山を越え、遥か先を目指した。
海は深く、空は広い。
夜の闇は怖い。
それでも回すペダル。
ひたすら…
ひたすら…
釘が突き刺さろうが関係ない。

容赦無く打ち突ける氷雨が体を弱らす。
心までも蝕む。
凍えそうな体を休めたのは『長門』。
しかし体とは反対に心は笑っていられた。
「長い門か…。
また一歩“夢町”に近付けたな…。」