金さん'HOMEにお世話になって3日目。
ついに旅立ちの時。
今日の朝はウェスタンスタイル。


ふと見ると小学生低学年くらいの女の子が携帯片手に朝食を摂っている。

金さんに聞けば、台北市内の子供は、両親が忙しいために朝食は一人で外食、離れているため心配に携帯を持たせるのが普通だと言う。
高度成長期の日本を辿っている。
ともすれば行き着くのは日本と同じように…。
出発のための身仕度をしていると、金さんがあっちこっちに行ってそわそわ落ち着かない様子。
どうやら自分のことが心配らしい。
「おお~オグチサーン、ライトは一つじゃダメデース!台湾の夜はアブナイネ!」
と、すかさずライトをチェーンナップ。
「おお~オグチサーン、ヒップはダイジョウブですか?私がお手製で縫ったレーサーパンツがありますから持っていきなさい!」
と、ブカブカサイズでレーパンがあっていない。
「おお~オグチサーン、避妊具を持ってないのはダメネ!台湾のムスメカワイイネ!なんかあったらどーする!」
これはマジいらないですっ!
金さんの思いの分だけ荷物が増えた。
「おお~神様~、どうか我が息子を無事にお守りしてクダサーイ!我が手に再び~!」
金さんの目は本気だった。
途中までのお見送りもずっと、
「サミシイネ~」
と呪文のように唱えていた。
まだ自分にしたりないことはないかと、即効で道に迷ってもプラカードで聞けるカードも作ってくれた。
自分も金さんに会えたことで、なんのために時間をかけて日本一周をしたのかの意味が為せてきた。
『知識ではない実際の臭いを伝えること。自分がどんなところに生まれたのかを知るために、他を知る必要がある。旅に出よう。』
少しずつだが、自分の旅が輝きだした。
ゆくゆくはもっと大きく。
金さんとの別れ際にハグをした。
金さんは息子を見る目で、
「毎日電話をおくれよ~!」
ほんとにありがとうございました!
本気で心配してくれる父が、また一人出来た。
ほんとに自分は幸せものだね。
今日覚えたチャイ語:メイクワンシィ!(問題ない!)