そして幕は開き、彼女たちは階段を降りる。「ル・グラン・エスカリエ」② | Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

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鑑賞は生中心主義。自分の眼でライブで見たことを中心に、語ろうと思います。



(承前)

トップ娘役、さくらちゃん。
歌がきちんと歌えて、上半身が綺麗で腰高。そして男役を邪魔しない薄味な華やかさ。
とてもよい娘①だなーと感心しました。
大抵のかたには賛成してもらえないと思うのですが、この感じはちゃぴ、愛希れいかちゃんの最初の頃にも感じた印象なのです。あっさり味でなんでもそこそこ上手く、よい意味で変に飛び抜けていない娘①(だった)。
後年のちゃぴは、化けたよなー。まさかここまでの大型娘役になるとは…。まあ、当時の月の特殊事情も大きいが…。
はるのさくらちゃんは、今の宙組には善き娘①だと思います。

ずんちゃん。
個人的な想い出に基づくものとして、彼女が「CONGA!!」(蘭壽さん&のぞみさん)と、「エスメラルダ」(早霧さん&のぞみさん)を歌ってくれたのにはぐっときました。花組と雪組の歌です。
宝塚歌劇はこうした想い出の連鎖…それが繋ぎ、支えてる。たとえ組が違おうと。
技量的にはもはやスタンバイオッケーな彼女です。いろんな種類の歌を歌い分けておられましたね。

そして芹香斗亜さま。
瞳はいつも以上にきらきらと潤んで、美しいったらありませんでした。クラシカル歌唱もポップな歌も、なにもいうことなし!こんなキキちゃんを、花組エリザの頃に想像しておりませんでしたよ…いろんなことを含めて、ね。涙するしかない。

真白さん、あらしのくん、秋奈さんの歌もよくて、ほんとに宙組はスタイリッシュ&スキルフル。
そうだ、デュエダンのカゲソロはいったいだれ!と思った(志凪咲杜さん)し、エトワールは最初「みねりちゃん?」て思ったらまさかの愛未サラちゃん。
誰もかれもが上手い…どういうこと…。

宝塚歌劇の名作、名場面を詰め込んだこの作品、最近の宙組作品は注意深くよけられていて、深淵配慮されているのだな、と。このタイミングでのこれは、善き作品だった。

友人は「ショーだけの公演、あってもいいのにー」と言っており(その友人はショー好き)、そういう方も多いかもしれませんが…私はやはりお芝居もあっていいかなと思います。
劇とショーはお互いのよさを引き立てあうし、お芝居だと名前を覚える(多分)。卒業後を考えると、舞台人としては芝居の修練は必須だと思いますしね。
体内時計が働いてて、1時間経過したとき、あれ?と思って時計を観てしまった私。私にとってはショーは1時間、なんですね。

短いこの公演、この先きっと「幻に近い」公演になるのだろうな。
宙組さんのスキルの高さ…それによっていろいろなこと、本当にたくさんのことを払拭していかねばならないのだ…。
もう今日が千秋楽なのですね…。配信見れないけど…。
次は、東京でお待ちしております!