そして幕は開き、彼女たちは階段を降りる。「ル・グラン・エスカリエ」① | Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

鑑賞は生中心主義。自分の眼でライブで見たことを中心に、語ろうと思います。


2024年6月29日12時30分公演

1時間20分ばかりを宙組さんと過ごすために、大劇場へ。そこには大階段が待っていてくれた。

宝塚を象徴するものはいろいろあるけれども、26段あるというこの階段もその一つ。舞台に高低差と立体感をもたらして表現の幅を広げ、光の粒で客席までも照らす。
一段の奥行きは23センチ。長身の演者たちには小さいのじゃないかな、とも思うけれども、中途半端に大きいよりもこのくらいのサイズの方が危なくないそうです。
(一般の施設の階段、最近は、昔あったゴム?の滑り止めみたいなのないですよね…結局あれにつまづくひとが多かったのかも…)

大階段が出ていない時でも、私たちの目には彼女たちの後ろにそれが見える。絢爛豪華で他に変わるもののない、宝塚歌劇のシンボル。

久方ぶりに拝見する宙組さんは、組として本当に穴なしで完成度が高い…と改めて思いました。
もちろんトップさんが93期で下に路線スターさんが犇めきあってるのは以前のまま…というのもあるが、これだけ皆がビシッと歌え、粒揃いの組もないように思う。
とにかく、出てくる人出てくる人、上手い。
たまたま破綻なく歌えました、じゃなくて通常運転で瑕疵が見当たらぬ。
そして、スタイリッシュ。

中でももえこちゃん(瑠風輝)とこってぃ(鷹翔千空)の成長ぶり。
本来なら舞台人は舞台に出ることで成長していくんだと思うが、この1年弱、どれだけ自らを叱咤激励し研鑽したのだろうと…なんか、勝手に涙が出てきた。

出色だったのはもえこの「ダルレーク」だろうか。れいこちゃんばりに、歌にものがたりが見えました。長身にスーツとマフラーが映えて、姿も文句なし。全くの妄想だけど、彼女が月に行くなんて想像した…それほど素晴らしい歌唱でした。

あるいは、こってぃの「蛇」。歌もらくらくやってのけちゃうけど、この人のダンスは、男っぽい骨の固さを感じさせつつも「身体の使い方が上手い!」と思わせるものがあり、いやいや、くねくねなはずの蛇にも似合ってましたー!(←褒めてる)
硬質な印象が長かったけど華やかさも出てきたし、いいですよね。

それからひなこちゃん(風色日向)。美しくて(以前茶会行ったけどすんばらしい美人でした)歌もきちんとした優等生。身長も充分で、王道を行ける人だと思います。これからは個性を出す時期かな。同期のあみちゃん&あまとくんに経験値では微妙に遅れちゃったが、まだまだこれから。頑張れ❣️

そして、おかえりなさいのあのんくんと、綺麗なりせちゃん、ダンサーのなるくん。
序列もばっちりと、相変わらずもスターぎっしりの宙組さん。他にもソロが取れるひとたくさんいて、見せ場がありました。
この組が動かないのはもったいない。

…思い出すとなんだか、胸いっぱいになってきた。次に送ります。