「ALL BY MYSELF」【微妙にネタバレ注意】そして追記あり | Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

鑑賞は生中心主義。自分の眼でライブで見たことを中心に、語ろうと思います。

 

 

2024年4月17日15時30分公演
 
れいちゃんの「BE SHINING」を壮大なサヨナラショーなんて書きましたが、いえいえいえ、さきちゃんの「ALL BY MYSELF」は彩風咲奈伝説そのまんま。
ベルばらの千秋楽にあるはずのほんとのサヨナラショーには、一体何やるのでしょと思ってしまいました。それくらい、楽しかった(笑)
 
そして、淋しかったよ、咲ちゃん…。
 
(少しネタバレごめんなさい)
次の次の御曹司が、雪組最愛の御曹司を取材して早すぎる伝記を書く、という仕立て。
抜擢続きの優等生が挫折を乗り越えて真のトップスターに成長していく…あんまりにもベタな大礼賛に終始してるショーなんだけど、不思議とナチュラルに見られる。
なんというか、咲ちゃんの押し付けがましくなさ、圧の薄さ…私を見ろ!どうだ上手いだろう!みたいな強い自意識のなさ…からくるのかなー。
つまりはお人柄?
このバランスを見てお作りになったとしたら、野口先生、いいセンスかも。
 
私は彼女の「ソルフェリーノの夜明け」新人公演主演から見ていますが、それを皮切りに主演作のオンパレード。
驚くのは、まあ劇場の響きにも依存するのかもしれませんが、彼女の声量。喉が開いて力強い声が途切れない。ほんとに上手くなったんだね…。
特に、若い頃の主演作品の歌なんかは、苦労して身につけたせいなのかどれもこれも抜群によくて、素晴らしかったです。
もちろん、想いがこもっていたのもあるでしょう。この世でこの曲たちを一番上手く歌えるのは彩風咲奈なんだから。
その想いを空回りさせず、劇場全員に届けられる…その力量を彼女は自らのものにしたのだと。
 
そしてですよ。
ダンスが出色なのはいうまでもなく。
きたきたきた。来ましたよ、「海の見える街」。
今のメンバーで、フルバージョン踊ってくれました。初演ではひとこと縣くんだったポジを、諏訪さきちゃんとまのみやくんで。
もう、泣くしかないでしょう。懐かしくて切なくて。
本当に、大大大好きなこの作品。
 
踊る踊る、彩風咲奈。長すぎる手脚を自在に操って、オンテンポで。
長身で、旋律とリズムをそのまま表現できるひとはそう多くない(長身だとやや遅れてしまいがち)。リズムを早どりすると、一見キレキレに思えたりするけど、楽曲の意図と違ってしまうことがある(と、思う)。
私は、過剰な飾りつけをせず端正に、かつ伸びやかに踊る彼女のダンスが大好きです。
 
私は彼女がほんとの自信を握りしめたのはこの作品だろうとずっと思っていて、やはりそうだったんだね、と思うと嬉しくもあり、淋しくもあり…。
宝塚で成長するということは、一歩また一歩とこの世界との別れの時に近づいていくこと。そう思うと、本当に切ない。
 
そしてまあ、今さらこんなこというのも本当に何ですが…スタイルがよすぎる。
前世でどのくらい善行を積み重ねたら、こういう頭身バランスに生まれつくのであろうか。
衣装が着映えするったらない。見ているだけで幸せですね。
きっと彼女、凹んだりしてるときに
「あなたは人が喉から手が出るほど欲しいものをもってるんだから」
って言われたろうな。多分1000回くらい。
でも、それはほんとです。
前にも書いたが、彼女は「約束された人」だった。
 
咲ちゃんが「きみはきみのやり方で…」というところなんて、トップ就任予告みたいでしたー。ま、すぐにではないけど。
 
そして特筆したいのが、安心の諏訪さきちゃん。
歌ってよし踊ってよしの頼もしい脇で、こんなひとがいると本当に心強いですよね、特に分かれちゃう別箱では。
 
こんなコンサートを見てしまうと、咲ちゃんさよならなんだーなんて思ってしまうけど、いえいえまだ、ベルばらがあります!
雪組最愛の御曹司、彩風咲奈はさらなる伝説を作ることでしょう。宝塚ファンは一人残らず楽しみにしてますよ!

【追記】とか言ってたら、ベルばらのポスター出ましたね。なんて美しいのだ3人とも…。あーさオスカル、超絶綺麗!可愛い!錯乱!
まあベルばらに見えないっちゃ見えないけど(?)綺麗だからいいの、そんなこと。