24年宝塚初観劇「雪組 ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル」 | Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

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鑑賞は生中心主義。自分の眼でライブで見たことを中心に、語ろうと思います。

 

2024年1月7日15時30分公演
「ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル」生田大和作品
(なんとなーく…既視感なくもない書斎風景…)
 
3番手退団の作品でもあるためか、結構なチケット難でもありました(?私の周りだけかしら)。私もこのままではmy初日にして楽になりそうな…。大劇場配信は仕事で観られなかったので、初見です。
大劇場での公演がかなり休止になってしまったので観ている方はあまり多くないのかもしれません。が、既に配信もされているので「プチネタばれ」で、いいのかな?
 
うーん、いろいろとご意見あると思うのですが、私は結構面白く観られたかな。
①男のファンタジー
②宙組「シャーロックホームズ(21年)」のスピンオフというかコインの裏と表
③映像ではなく生観劇向き
って感じでしょうか。
 
①ファンタジー感
渋い書斎…じゃないか執務室から始まり、降霊術(?なんかいまいちわかんなかった私)の会合になったり、突然極彩色のネオン背景にロックシーンに転換したりと、なかなか高低が激しい。
なんだこれ?ではなくて、ドイルの内面なんですよね。リアリズム主義の方にはブーイングかもしれませんが、これもまたありかなと。最後に「君は僕」のオチも。
②コインの表裏
生田先生、ホームズ大好きなんだなと思うばかり。宙組の「ホームズ」を思い出しながら見ると楽しい。モリアーティ、キキちゃんやってたなとか。
③生観劇向き
「リスト・フェレンツ」(これも生田作品)の時も思いましたが、これは配信とかで自宅で観るのは難しいかも…理解というのが言いすぎなら「味わう」には没入感が必要かと思います。ストーリーの行く先より解釈や表現(演出)を楽しむ作品は、そうですよね。
大劇場配信が初見だった友人も、配信だと「?」もあったけど、舞台で見ると楽しくなってきた、と言っていました。
 
私が最初に読んだホームズものは、どっかの文庫で「シャーロク・ホウムズの冒険」という、人名もなかなか古めかしいもの。訳の文体も今の標準表記と違って…訳は、誰だったんだろう?既に手元になし。
だからなんとなくホームズは「ヴィクトリア風に古めかしい」というイメージが今もあるのですが、世界中にシャーロキアンがいるという事実…魅力的な造型だったんですねー。
 
自分の創出した人物の影響の大きさに縛られて、それが自分の全てじゃない、もっと他のものも書けるのに!という葛藤に苦しむドイル。成功あったればこその望みなんでしょうけど、ときどき聞く類いの話でもあります。
観ながら、その昔、ある宝塚の大スターが卒業後、宝塚時代の歌を封印した…私はそれだけじゃない、との想いで。しかしある時ファンイベント(?)で現役の頃の歌を歌ったら皆泣いてくれた。それで「求められているのはこれ(も)だ」と気づいた…そんな話を思い出しました。
早口言葉みたいなタイトルは、自分探しに頑張ってる、沸騰するドイル…のような感じなのかな?生田先生のコメントとか読んでないのでわかりませんが…。
「君は僕」で、ドイルは自分と和解した。
スカーレットⅠとⅡがひとつになったように。
 
【さきちゃん】
日本人としては「何故この柄」と思うようなスーツが、どれもこれも本当に似合う。鉄の意思の持ち主というより、迷いを隠せない愛すべき人物は、ニンですね。
「自分の人生のあるじは自分だ」という歌には、卒業を控えた自身の渾身の想いが込められていたような。「上手く、無難に歌おう」という意識からは完全に解き放たれた、いい歌唱だったと思います。彩風咲奈ここにあり、といったような。
 
【あやちゃん】
ほんまもんの姫役者ですね。砂糖菓子みたいに綺麗なだけじゃなく、既に貫禄ありあり。でも細くて嵩高くないので主役を過剰には邪魔しません。バランス的に次のトップさんとの組み合わせがどうなるか、気になるところ。ま、彼女にアントワネットを充てずに誰を充てる、という話です。
 
【あーさ】
次期トップさんという輝きがありました。視界の外にあるまだ暗いせりから上がってきても、あ、来たな、ってすぐわかる。発光してるんだなー。
これからに期待しています!
 
【そらくん】
3番手の登場で舞台が始まりますが、冒頭からこの拍手…彼女がいかに惜しまれているかの証かと。
低音ヴォイスがここちよくてたまらない。卒業後はそりゃ引く手あまたでしょうが、もう低音封印かと思うとただただ悲しいです。なんで彼女を引き留めておけるエンタメ団体でなかったのか、劇団よ。ほんとにもう。
 
次の2番手も気になるところですが…まぁ人事は所詮妄想だし、作品の記録とは別にしたいので…。
 
 
「フローズン・ホリデイ」野口幸作作品
 
…を書こうと思いましたが、長くなったので次に送ります。