この気持ちは今もほぼ変わらず…なので、他のことを。
今までで一番間近で和希そらというスターを見て、この人の魅力は何なのだろうとつくづく考えた。
男役の魅力に溢れてるかというと…感じかたはそれぞれだろうけど「部屋に入ってきて、知らない人でも誰もが宝塚の人だとわかる」というタイプではないと思う。
マスクも、もちろん美人ではあるが美人の中で細分化すると個性的な方だろう。(…なんだけど、「夢千鳥」やフォトブックで見せた昏く滴る色気と自己演出力は…定型宝塚美人を凌駕しているとは思う)
芝居も歌もダンスも非常に達者で「三拍子」というのに相応しい…が、これはスターの形容としてはありふれた賛辞だし、中でも「芝居」は歌とダンスがうまけりゃ自動的にこの賛辞が呈される、という側面もある(芝居は主観的なものだからね)。
…私は彼女の3つのファクターそれぞれを、どこがどういいのかちゃんと述べられますが、それは以前の記事と重複するので省きます。
うーん、では一体何なのだろう、このひとの言うに言われぬ魅力。
で、この日思ったのは、なんというか、自然体なのだ、舞台の上の彼女って。
ダンスはもちろんのこと(振り早くてめちゃ多いのに抜け感ある、というのはかなり前から書いてます)、歌だってそう…らくらく歌ってる…どこにも無理がない。上手いけど、技巧が前に出ない。
そして科白もナチュラル。リアルに近い科白回しで芝居を全うする。要らぬ力が入ってないというか、声を張らないんですよね。
この日の最後のご挨拶もそうでした。他のジェンヌさんて「本日は本当に…」でバシッと張るではないですか。それを彼女は前からの続きでそれをしれっと普通に語り、劇場のすみずみまでそれが届く。
やはりね、彼女は舞台に立つべくして舞台の神様に指を差されたひとなんだと、私は思う。そして彼女はその金色の糸をするすると登ってきた。
彼女が一番美しく息づいていて、なんなら棲んでいる場所、それは舞台。
この人を一番の地位に上げないのは、舞台芸術を催行する団体として、見識を疑われると思うんだけどなあ…どうなのよ、劇団。
【縣千くん】
ほんとに、スーツが似合うこのガタイ…。
飛び抜けて背が高いとか脚が細長いとか、そういうんではないけど、無条件で見惚れるスーツ姿。そして舞台向きというしかない造形の、くっきりした目鼻立ち。
多少の難点はともかくも、彼女をトップスターにしないって手はないですよね。
ダンスが素晴らしい。リズム感、脚のバネ、可動域。ほんとうに楽しそうに踊ってるの見るとこちらまで幸せになる。
そら縣の並びでダンスシーンを見る、この喜びよ。タイプ違いなので打ち消し合わず、ああもうどっち見たらいいのよー!と嬉しい悲鳴。
星組のことありの①②並びダンスも格別だが、雪のそら縣の2人も負けてないと思い出しました!
これからがますます楽しみ。
【華純沙那ちゃん】
清純そうで歌もクリアできてて、いかにも下級生路線という感じ。健気で可愛くて、とてもよかったです。
しかしまあ、最近の若手娘役さんてこんな(可愛くてスキルもある)人ばかりで区別がつかないよー(笑)
あとね、芸名が一発で読めないのは本当に損だから。芸名なんて人の口の端に何回登るかが勝負なので…読みやすくしてね、あなたのために。
かすみ?はなすみ?とか迷わせるのは時間と機会損失もったいない。
一瞬「トート?」とか思ったはいちゃんとか、「ライラック」に続いてプライド高い役をこなしてるひまりちゃんとか、脇を固めるあすくん、おーじくん、愛すみれさまとその跡継ぎみたいなきららうみちゃんとか、綺麗なさんちゃんとか。
あ、あとはじめて白綺華ちゃん認識しました。可愛いシンガーさんでした。
ストーリーは置いといて、楽しく拝見した「双曲線上のカルテ」でした。
あーそれにしても間に合ってよかった…。