望海風斗は、アルトかテノールか。 | Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

鑑賞は生中心主義。自分の眼でライブで見たことを中心に、語ろうと思います。

えーと、まず、タイトルの質問に答えられる私ではありませんことを、最初に告白します。
きちんと声楽の教育も受けたことなく、高校まで音楽の授業に出てただけ。

いつも思うのですよね、彼女の声って、艶があるとかだけではなくて、筋力を感じるというか。
女声の音域(という言葉でいいのかな)でいうと「アルト」なんでしょうけど、あの野太さっていうのはアルトと言うものなんだろうか。勝手なイメージですがなんかピンとこない…。

しばしば読ませていただいているブログの主様は彼女の声を「テノーレ・リリコ・スピント」と表現していらして、やっぱりテノールなのかな?とも思う。(オペラに詳しい方なので)
ちなみにリリコ・スピントとは、劇的な歌唱に適する強靭な声とのことらしいです。

もちろん彼女の、呟きから紡ぎ出すようなアカペラ歌も実に繊細で涙を誘うけど、声をはったときの輝かしさというか、こちらの臓腑を射抜くような鋼のごとき強さは、やはり「男役」のものとしか思えない。クライマックスという言葉そのもの。
(もちろんマイクなしのオペラとは違います、念のため)
熟練した演技者は、声帯だけでなく関節やらなにやら体全体で響かせることができる、みたいなことも何かで読みました。

だからですね…。
彼女が卒業したのち、そう、きっと舞台に立ってくれることを信じてやみませんし、周りもそう言ってくれる、だけど、一体どんな歌をどんな声で歌うのかな。
いわゆるミュージカルならば、何の役で。

そのとき、私たちが愛してやまなかった、その「テノーレ・リリコ・スピント」は喪われてしまうのでしょうか…。
うーちょっとそれは、考えたくないんですけど…。
(今のこんな状態で考えるとかなり精神的にキツイ)

指揮者の上垣先生は「だいもんキーというのが別にあるような」と、まるで謎かけみたいなことを書いてくださってたと思うんだけど、私の音楽の知識が足りなくて理解できていない。「調」が他の人と違う、ということなのかな…?いや、わからない…。

ただファンとしては、彼女が誰も切り開かなかった道を歩んでくれるのを、信じて見つめ続けるしかないです。
よく言われる、彼女は「宝塚の域を越えた」説…。
いえいえ、彼女の歌もダンスも、宝塚そのものだと私はずっと思っています。だから誠に勝手ながらその未来を、凡庸な私は具体的に描けないのです。ひかりふる未来だとはかたく信じているけれど。