マクシムが脆くなってた件、そして目千両のあーさ。 | Gwenhwyval(グウェンフウィファル)の舞台日記

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鑑賞は生中心主義。自分の眼でライブで見たことを中心に、語ろうと思います。

雪組公演「ひかりふる路」2018年1月7日15時30分公演。

 
お芝居が変わってる。
マクシムは後半、ものすごく迷っていてあやうい。たびたび顔を伏せ周りを見回し、ときにうずくまり、ほんの少しのことで崩壊しそう。
だから、マリーアンヌに拒否されたことで瓦解が始まってしまったんだ、と納得できました。「途方に暮れている」と弱音をはいた時に彼女と話し合って「やっぱりやる!」「世界を変える!」とキラキラの瞳で誓うんだものね。あの心の触れ合いが支えだったのだ…。
生田先生は、白も黒もできるだいもんの両方を見せたい、と思ってくれてたのだろうが、だんだん「脆い理想主義者が破滅に至るものがたり」になりつつあるような。
まあな、破滅が似合う男だから仕方ない(笑)
そうそう、黒いばかりが破滅するとは限りません。白だって破綻するときもあるんです。
 
きほちゃんのお芝居も、より感情的になっていた。なんでもできる子だけに上手くこなすこともお茶の子だろうに、時に声を詰まらせ時にうるんだ声になり…入り込んでいるんでしょうね…。大劇場初日に比べるとメキメキと成長している気がします。若い子は成長が早い!
 
そしてあーさはまさに「目千両」ですね。
感情を雄弁に語る輝かしい瞳と、操れる繊細な筋肉。役者としては本当に得難い宝物を持ってるだと思います。激情を火花みたいに閃かせる花のかんばせに、眼が釘付けでした。
 
あーさだけでなく、あやなひらめもそうだと思いますが、今回は組替えご祝儀色が濃いキャスティングですよね。雪組ファンに覚えてもらわないとならないし、元のファンを連れてきてくれないといけない。三人とも、既存ファンは満足いく役付きだったと思います。
だから、次回作が勝負かなあ…。今回ちょっと割り食ってしまった感じのナギショーやひとこにとっても、ね。
それにしても、あーさとれいこのトレードはなんだか大正解。ふたりとも美形枠で、最初はなにを狙ってるのかなあ?とよくわかんなかったんだけど…蓋をあけてみるとあーさは爆上げに(今回は?)見えるし、でもれいこも月でばっちり3番手待遇受けてるし。組替えの効用たるや素晴らしいです。
もちろんあやなちゃんも。聞くところによると、きんぐファンが流れてきてるとか。
確かに雪にいたらそういう風に興味もつひと多いかもしれないな。
 
いつも私のツボである女革命家の歌。
ヒメの名がオランプなので、友人と「1789のオランプと同じ人物か」と議論になるのですけど、どうなのかな~。あんまり関係ないような気がするけど。
でも、勇気のでるシーンですよね。男はなにもしゃいない、って、働く女には共感性高い(笑)
 
普段の宝塚歌劇はストーリーの中にときどき歌がある、という感じですけど、「ひかりふる路」はミュージカルっぽく歌にストーリーが織り込まれているので、そんな風に歌を聞くのに慣れていないと疲れてしまうのかも? 結構「疲れた」とか「90分とは思えない」という感想を聞きますよね。ことほど左様に、感じるということはそのひと次第。
自由に感じ、その感じかたを人に伝えてよい時代で本当によかった。これも市民革命の恩恵ですよね。