8月24日25日@梅田芸術劇場メインホール
宙組を挟んで2回拝見しました。
初日、開演のアナウンスに大拍手。泣くのは大劇場のそのときにとっとこう(とこのときは思った)。
柴田作品には友人のファンも多くて、私も「琥珀色の…」は初見ではありません…ちえねねのを見ておりました。
いえね、話とかかなり忘れてしまっていて、ねねちゃん、マヌカンてびったりだよな~と着せ替え人形っぷりを楽しんでいたっけ。
世間知らずの真面目ボンボン役。素のところではだいもんも結構そんなだと思うので、ドはまりではなくとも無理のないキャスティングだった、というのがあちこちのブログで読んだ定説かと。きほちゃんも、年齢的には足りないもののなかなか健闘していた、ということになってます。
確かにきほちゃん、とてもよかったと思います。マヌカン感(笑)は微妙だけど、どっか普通の女ではない空気違う人、にちゃんと見えた。クロードに「マジョレ湖ってのがありましてね、旦那」(←違う)と話すときの様子とか、霞むような潤むような風情で素敵だったなあ。あれで、行こうよ!と誘わない男はいないでしょう。
だいもんもうまくできてたと思います。自分が悪いくせに「ほかにやり方はなかったのか」とか言い出したり、婚約者回収に走ってったり、なんだよ~とか思うけど、それはそう、そんな男なんだもんね。ここでいらつかせる、もしくは「男なんてこんなもの」と諦念をいだかせることこそ、クロードとして正解なんでしょう。
…とは思うんだけど…
私はやっばり、見た目だけでなく行動もかっこいい望海さんが見たかったんだなあと、つくづく思う。
ほかの組の作品なら、やれ話がつまんないとか、歌い継ぎなかなか厳しかったねとか言ってるのですけど、やはり贔屓には…ストーリーより技量より、まずはかっこいい男役でプレお披露目してもらいたかったのだ。
このストーリー、歴長の方々は皆お褒めだし、再演重ねるのは結局は宝塚らしい名作なのだろうと思うのですよね、でも、私には、オーバークラシカルだった。話も、どこに共感してよいのか…見る位置がつかめなかったのです。女性目線創作でいかにも今風な宙組なんて挟んで見てしまったものだから、余計に。
それにさ~なんであそこでいきなり「抱きたい…」とか言うの(笑)場面限定お色気核分裂。もう、びっくりして、ちえちゃんこんなこと言ったかなと思いましたよ。
この、科白の「なぜいまここで感」が女性作家(ウエクミ先生とかは特に)にはないんです。
書きながら思うのですが、私は望海風斗の技量には多分何の心配していない。その先にあるもの、宝塚男役としての素敵さがどうなっていくのか、ドキドキしてるんだと思う。
もちろんその素敵さにまずやられ、スキルは二の次になってしまう…つまりスキルをオーラがカバーするさんがたくさんいるのは知ってます。どっちかというとそちらが主流かも。
私は、望海風斗を男役としてとびきり素晴らしいと思うのに、得てして技量が勝ってしまうみたいな印象がもどかしいのかな?もっとかっこよさを世間に知ってもらいたいのかな?
とかなんとか言ってるけれども、初日の最後の挨拶には当然のようにもらい泣きしました。
こんな風に泣くひとだったなんて。すこし前の、先代の退団公演を思い出さずにはいられなかったです。先代が、彼女のキャラクターに何かを加えたのか、扉をこじ開けたのか。
感情の豊かな表現が、観客の心をこんなに打つとは…だってねえ、40分くらい前には客席に降りてお客様をドカンドカン殺しまくっていた同じ人が、麗しのかんばせで、この涙ですよ。それはもう反則で、完敗です。
だいもん、おめでとう、ほんとうに。
ここまで長かったよね。いろんなことに悩み、立ち止まり、また顔を上げて歩きだしたりしたことでしょう。ここまで一緒に連れてきてくれて、ほんとにありがとう。
大劇場の初日と大羽根にはもっと泣くだろう私たち。監修ハンドタオル片手に、皆で駆けつけますよ!
昨日の夕刻には、本公演お披露目の楽曲提供者も発表され、11月がますます楽しみなような怖いような…になってきました。
そうこうしてるうちに今年が終ってしまうんだけど!