※注意事項
※昨年のシリーズ『1からのスタート』と同じ世界線のお話です。もしよろしければこちらからお読みください
①こちらはリアルを元にした妄想です。実在の人物とは一切関係ございません。←これ重要
②本編は嵐活動休止後、2021年のお話です。
今回のお話は嵐が活動休止発表する前から始まります。
③Nさんリアルを元にしているので結婚しています。
④大宮強化担のため、結婚に対する扱いが少々酷いです。
⑤OさんNさんどちらにも女の跡があります。
それでもOKという方のみどうぞ。
side.A
「俺、結婚するから」
番組収録の終わった楽屋で、さっさと着替え終わって帰ろうとしてるニノが「ちょっとトイレ行ってくる」くらいの軽い口調でそう言った。
「…は?」
当然皆何を言ってるのかわからず、その場は静まり返った。
「お前、何言ってんの?」
漸く口を開いた松潤が苛立ちを含んだ口調で尋ねる。
「だから、俺結婚すんの。事務所の方とは話し合って既に了承済み」
「そういうこと聞いてんじゃねぇんだよ!!」
淡々と説明するニノに松潤が勢いよくニノの胸ぐらを掴んだ。
「ちょっ…松潤落ち着いて!」
「落ち着いていられるか!お前今どういう時期なのかわかってんのか!?」
俺と翔ちゃんで仲裁に入ったけど、松潤の怒りは静まりそうになかった。
「松潤」
静かに響く、でも心臓がギュッと掴まれるような声に皆の動きが止まった。
「手、離して」
「…っ」
今までに聞いたことがないような怒気を含んだ声。いつもの定位置に座っているけれど、真っ直ぐに見つめるリーダーに、松潤も大きく深呼吸をしてゆっくり手を離した。
「ニノ」
「今日はとりあえず帰って」
「…俺も冷静に話せそうにないから」
リーダーが今度はニノに決して目を合わすことなく告げる。声はまだ暗く、冷たかった。
「…わかりました。では、お先に。」
「…ニノ」
パタン…とドアが閉まった音がするまで俺達は一歩も動くことができなかった。
「クソッ!」
ガンッ!と音を立てて気持ちを発散させるかのように松潤が近くのゴミ箱を蹴った。
こんな空気の楽屋は初めてだ。いつも周りがどんなに騒がしくてもここだけは暖かくて、個々でいるのに一人じゃなくて。…なのに、今日はこんなにも居心地が悪い。
ニノは全部わかってる。わかってて行動に移した。わかってないわけがない。だってニノだもん。それに…
「翔ちゃん、この後少しだけ時間あるかな?」
だから、俺にもできることするよ。