「笑うな」というタイトルの短編小説がある
タイムマシンを作った男が友人を呼び、その発明を紹介するところから始まる
「じつは、タイムマシンを発明した」彼はあきらかに泣き笑いをしながら、そういった。おれは、しばらく黙っていた。口を開こうとすると爆笑しそうだから黙っていたのである。
〜「ワハハハハハ」「ワハハハハハ」
死ぬかと思うほど笑いころげ、やがておれたちはタイム・マシンの上で、笑い疲れて筋肉の弛緩した、だらしない顔を見合わせた。」
※『笑うな』新潮文庫 P11〜14より
内容のほとんどは友人開発のタイムマシンを見ながら大爆笑するシーンだ
最後はこのタイムマシンで過去に飛んで終わる
筒井康隆の小説が話題になったのは70〜80 年代
変態、倒錯、エログロ、そのシュールな世界はウブな中学生の私に大きな衝撃を与えた
私の精神がねじ曲がったのも、この頃に筒井の小説に出会ったからと言っても過言ではない
同時に筒井は知や創造の表現に限界が無いことも教えてくれた
もっとも衝撃を受けたのが「陰脳録」だ
風呂の排水口にキンタ◯を吸い込まれてしまった男のモノローグが
25ページに渡り書かれている
「やっぱり、ひとりで、なんとかして、ぬかなければならない。
おおぜい、人をよんだりすれば、みんな、ぼくを見てわらいますから、あとで、ごきんじょの人たちに、あわせるかおがない。そんな、はずかしいことは、ぜったいに、いやです。
ああ。ああ。ああ。
なんとゆー、とんでもないことに、なってしまったのだろーか。」
※『陰脳録』新潮文庫 P198より
こんなしょうもない話で飯を食っている小説家がいる
しかも読んで笑っている中学生の自分がいる
さらに衝撃的だったの当時同クラスのほとんどの男子が筒井の短編集を読んでいたことだ
こんな小説をこの年で読んでいたら将来はろくな人間にならないぞ と思った
案の定、ろくな人間にならなかった
一方の筒井は、「生涯仮面を被って真面目ぶっていても人生はつまらないぞ!」と我々に教えてくれたのだ
中華料理屋の店主が勧める漢方料理を食べると次々と体から老廃物が出てしまう「薬菜飯店」、自慰行為の度にテレポート(オナポート)してしまう「郵性省」、バーでふと目が合った相撲取りに町内を追い掛けられる「走る取的」など、筒井の小説は奇想天外で解放のエネルギーに満ち溢れている
世の批判など目もくれず独自の路線を貫いた彼が、TikTokをきっかけに再注目されているそうだ
「時をかける少女」など普通の青春小説も余裕で書けてしまう筒井が、その鬱積した才能を思う存分に発揮している初期の短編を読んでみてはどうか
コロナ禍、真面目に生きていることに疲れた人に必ず活力を与えてくれるだろう
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「世界を獲る」という表現を最近よく聞く
「スッキリ」から登場したボーイズグループ BE:FIRST がよく口にするフレーズだ
TV東京のASAYAN時代からオーディション番組は好きだったので今回の企画も楽しめた
「世界を獲る」は「ビルボードで一位を獲る」を意味する
となるとアジアの先駆者でもあるBTSがどうやって世界的成功を収めたかが興味深い
調べてみると幾つもの偶然が重なった結果だ
結成当時お金が無くて、自分たちで作曲を始めたとか
ヒップホップ、ラップ、R&B中心で当初楽曲展開していたが売れずにPOPS、バラード色を増やした経緯や
衣装や化粧などはプロデューサーの読みが当たった面もあった
国連の撮影などを見ても仕事は早いし、新曲は様々な演出で見せてくる
フェーズ毎にリリースする楽曲の選択も的確、英語歌詞の引用も上手い、コンサートの演出力も高く、エド・シーランなど世界のトップミュージシャンとのコラボも上手
これらは特にBTSを持ち上げているのではなく、彼らが成し遂げてきたことだ
私が好きなのは、コンサートツアー終了時の彼らの飲み会風景だ
ワインやシャンパンのボトルをバンバン開けていく感じが、なんとも若者らしくていい
アイドルが酒も飲まず品行方正なんて誰も信じないわけで、BTSにはそんな矛盾を無視して素を見せていく潔さがある
私生活での喜怒哀楽、多くを公開することで楽曲以外の面でもファンの共感を高めてきた
海外のBTS評価でよく目にするのが「新しいマッチョ像を提示した」というものだ
激しいダンスを披露したかと思えば、化粧をしたりとフェミニンな面もある
これまでマッチョといえば、映画「ワイルドスピード」に出てくる俳優のような
ビルドアップされ筋骨隆々、行動もワイルドといったキャラクターが一般的だった
■ WEB記事:K-Pop's Beautiful Men Are Breaking The Rules Of Masculinity, But Can America Handle It? から
In a speech to the United Nations in 2018, BTS’s leader, Kim Nam-joon, better known as RM, expressed, “No matter who you are, where you are from, your skin color, your gender identity, just speak yourself.” As conceptualized by The New York Times, toxic masculinity is associated with “suppressing emotions or masking distress,” “maintaining an appearance of hardness” and using “violence as an indicator of power.” When a man doesn’t possess these characteristics, he’s often seen as “feminine” or weak, especially in Western cultures.
「2018年に行った国連でのスピーチで、BTSのリーダーRMは「肌の色や性別に関係なく、自己表現すべきだ」と語った。
NYタイムズは、感情や不安を抑えるために見た目もタフであるかのように振る舞い、暴力などで力を誇示しようとする男たちの行動を「トキシック・マスキュリニティ(toxic masculinity)」と表現している。そのように行動しない男性に対して女みたいとか、弱々しい奴だと揶揄する傾向がある。」
From their clothing and choice of expressions to their music and performance concepts, BTS is a leader in demonstrating how to be unafraid of expressing gender identity, regardless of traditionally held ideas of “femininity” or “masculinity.” It’s a much-needed message for those who struggle with fears of retribution or criticism, as it shows that this form of expression can be both accepted and celebrated.
BTS has redefined masculinity in many ways and the most obvious is how they present themselves physically.
「衣装や楽曲、パフォーマンスを見ても分かるように、BTSは伝統的な女らしさ/男らしさという固定観念に囚われず、自らを表現していく代表的存在だ。報復や批判を恐れて自己表現できなかった人たちから、BTSは歓迎され、賞賛されている。
BTSはその行動や見せ方で、(西洋社会における)‘男らしさ’の概念を変えようとしている。」
アジアの男子学生やスポーツ選手が欧米諸国に行くと、身体の線の細さや身体的特徴、見た目から’Girly’ だと言われるケースはこれまで少なくなかった
そんな既成概念を覆し、ファンを増やし続けているBTSが「21世紀のビートルズ」と称されるのも分かる気がする
BTSは既成概念(理想の男性像)にも影響を与える存在になっている
アーティストが世界的に成功するには、才能だけでなく国境を超えて人々が共感する新しい概念/価値観を提供することも大事だと示したのだ
話を戻すと、BE:FIRSTが世界を獲るには多くのステップが必要だ
まずアジアでトップのグループになること
楽曲と映像(主にYoutube)で世界のファンを魅了すること
歌唱力/ダンス/ルックス/衣装の全てで及第点を取り、さらに唯一無二の個性を持つこと
米国ではトークショーでの受け答えも評価基準になる 英語トークも磨く必要もある
世界が共感するメッセージを放ち、他国のトップミュージシャンとのコラボレーションできる資質がありと
リストアップすると相当ハードルが高い
日本の総理になる方が数倍簡単かもしれない
だからといって挑戦しない選択肢はない
高い理想を掲げ切磋琢磨することにより日本のアーティストのレベルアップに繋がる
心強いのはダンスの世界大会で優勝経験があるソウタさんがいることだ
プロが振り付けた彼らの楽曲よりも
オーディション時のソウタさんの振り付けの方が良いと思ったことが多くあった
世界での勝ち方を知っている人物がメンバーにいるのは好材料だ
彼のセンスを最大限に活かし、世界での勝ち方を模索しながら
BE:FIRSTしかできないメッセージと表現法を探していってほしい
一つ苦言を呈すると民放で登場するときに着ている黒、茶色を基調としたダボダボした服はどうだろう
シルエット的にもダンスの繊細さが分かりにくい
BTSのように毎回ブランドものを着こなすのも相当費用がかかると思うが….
なんて私のようなにわかファンが好き勝手言える機会を提供してくれるSKY-HIさんやスッキリに感謝したい
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WEB記事:村田諒太vsゴロフキン12月29日にゴング!日本ボクシング史上最大のメガマッチ決定【ボクシング】
村田諒太 の次戦がやっと決まったそうだ
相手はGGG(トリプルG)とも呼ばれるゲンナジー・ゴロフキン
ライブ配信するのはAmazonプライムだという
当初配信を検討していたDAZNがなかなかGOと言わないという噂を聞いていた
結局、Amazonが初めて生中継するボクシング試合となり契約金はタイソン戦を上回るそうだ
ボクシング通の方には周知の事実だが、ゴロフキンは強い
メイウェザーのように技術力が高いというよりは、好戦的で最初からガンガン攻めてくる
パンチが重く、終始攻撃の手を緩めないため、相手はハンマーで殴られるようにどんどん削られていく
KO率は90%、年齢39歳でキャリアのピークを過ぎたと言われているが、村田の階級では依然として最強の一人だろう
ミット打ちの音を聞くだけで、被弾するといかに危険かが分かる
ジムでコーチにAmazonプライムへの入会方法を聞かれた
そうだよな、そこがAmazonの狙いなんだから
若い人でもパスワードを覚えるのが面倒でサービス加入を避けている人がいるみたいだ
全てがデジタル化されようとしている昨今、PW管理も大事な技術だから習得が必要だ
ゴロフキンの弱点を特集した映像があった
先日メイウェザーに善戦したイギリスのお騒がせユーチューバーの戦略も
序盤戦のボディー狙いだった
あの好戦的なゴロフキンが唯一後退するシーンも、ボディを打たれる時だと指摘している
Gennedy Golovkin's Weak Spot
村田選手のボクシングスタイルから足を使って距離を取ることは想像できない
となると打ち合いでイーブンに持ち込みながら、コンビのボディやフックを活かす戦略しかない
イーブンの打ち合いに持ち込めるか 今から楽しみだ
試合まで2ヶ月を切った
日本中のボクシングファンを沸かせる最高の試合を期待したい
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ノー・ダウト (No Doubt) は、カリフォルニア州で結成されたスカパンクバンド
女性ヴォーカリストのグウェン・ステファニーをフロントに、ロックテイストのギターとタイトなリズムセクション
スカ、レゲエ、パンク、ロックなどのエッセンスが融合した楽曲で90年代にヒットを連発した
日本でも人気で、サマーソニックなどでステージを観た人もいるだろう
1stアルバムリリース時、レイトショーに出演した映像を観てみよう
グラミー賞の受賞2回、ノミネーション9回
デビュー当時から、個性派バンドとして確固たる地位を築き大成功を収めた
ノー・ダウトで特筆すべきは楽曲の完成度の高さだろう
ベストアルバムには、どこかで聴いたことがあるというヒット曲が目白押し
突き抜けた個性とハイセンスから生み出された良質なPOPミュージックを、ドライブの時など大音量で聴いてみて欲しい
guzbloom

