絵画BLOG-フランス印象派 知得雑話 -3ページ目

雑話275「MY BEST3 『2人の姉妹』」

2009年から毎週お届けしてきました「フランス印象派 知得雑話」ですが、来月から社内での新たな担当が増え、定期的に更新することが難しくなってきました。


そこで、当ブログは今月末をもって終了とさせていただきます。ラスト3回は私の個人的に好きな作品3点をご紹介させていただきたいと思います。


最初の作品はルノワールの「2人の姉妹(テラスにて)」という1881年に描かれた作品です。


ピエール=オーギュスト・ルノワール「2人の姉妹(テラスにて)」1881年

ルノワールはこの作品で、春の陽気や若さ、美しさを独特のタッチでみごとに表現しています。


描かれたのはパリの西の郊外、シャトゥーのセーヌ河畔にあるフルネーズ一家のレストランのテラスで、ルノワールの代表作である「舟遊びをする人々の昼食」を描いた場所です。


ピエール=オーギュスト・ルノワール「舟遊びをする人々の昼食」1880-81年

真ん中の女性の来ている青いウール地のドレスは、当時ボートに乗る女性が好んで着用したものです。


タイトルが「2人の姉妹」となっていますが、実際にはこの2人の少女に血縁関係はなく、ルノワールの作品を購入した画商のデュラン=リュエルが勝手にそう名づけたようです。


この作品を目にしたのは、20年以上も前のことです。


立ち寄ったシカゴ美術館の展示室にある絵画を、順番に眺めていくと、突然この作品が目の前に現れました。




ソフトフォーカスされたような筆遣いで描かれた少女たちや花々、背景にある木々や水面は色鮮やかに輝いており、まるで宝石のような美しさでした。


ルノワールの作品はこれ以外にもいくつか展示されていたのですが、この作品の美しさは別格でした。




この画家が描く絵画の素晴らしさを改めて認識させられた私は、しばらくその場から離れられませんでした。


その時の感動は20年以上経った今でも、私の記憶に鮮明に残っています。