雑話8「後期印象派のネーミングは変?」
印象派の画風から出発し、発展していった画家たちを後期印象派と呼んでいます。
代表的な後期印象派の画家はセザンヌ、ファン・ゴッホ、ゴーギャン、スーラなどがいます。(下に続く↓)
後期印象派というカテゴリーに含まれて入るものの、彼らの共通点は画風に印象派と何らかの関係があるというだけで、他には何もありません。
さらに言えば、彼らが最終的に到達した画面には、出発点である印象派と通ずるものすらほとんどない者もいて、印象派という名前がついているのが不思議なくらいです。
これは、私の個人的な意見ですが、英語で post-impressionism と名づけたものを「後期印象派」と訳したのが適切ではなかったのではと思っています。
英語の接頭語 post- は「~後、~の次の」という意味で、例えば post-war とは「post ~の後」と「war 戦争」で「戦後」という意味です。
ですから、正確にpost-impressionismを訳せば、「印象派後(の流派)」という事になります。ただ、これだと印象派の後に誕生した全ての芸術を指してしまいますが・・・。
後期印象派の例を挙げてみると、写真のセザンヌは特に印象派との関わりが強く、一部の印象派の画家たちとは交流もありましたし、第1回印象派展にも出品していたぐらいで、印象派に分類わけされる事もあります。
しかし、印象派が独自の表現方法で、あくまでも自然を捉えようとしたのに対して、セザンヌが目指したものは堅牢な画面構成であり、見たものを再構築して作る立体的な表現方法でした。
上の「サント=ヴィクトワール山と大きな松の木」も決してこの絵のように見えるわけではなく、画面構成のために松の木や山の位置を変え、一部は省略されています。
