絵画BLOG-フランス印象派 知得雑話 -264ページ目

雑話15「印象派の異端児:ドガ」

代表的な印象派の作家として定着しているドガですが、生の自然を捉えようと屋外で風景を描いたモネたちと違い、アトリエで人物画を制作することが多く、また雑話6でご紹介したような敢えて筆の跡を目立たせるような描き方もほとんどしていません。


では、何故目指した芸術の方向性やそれを達成するための手法が異なるドガが、印象派の代表的な一員として見られているのでしょう。


それは、次の2つの理由からです。


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「近代都市生活の描写」


他の印象派と同じく、ドガの主なテーマも当時の華やかな都市生活でした。

ドガと言えば、踊り子が有名ですが、他に競馬が好きで競馬に関する作品も数多く残しています。

オペラ座で上演されるバレーや競馬なども当時のパリの近代生活のひとコマです。


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「変則的な構図」


ドガの絵には前景として腕や足の先だけが入っているような極端な構図の絵があります。上の絵の左下にも楽器の一部が少しだけ描かれています。


また、従来の手法では手前に近くのものを描いた前景があり、それから少し離れた中景、そしてその奥になる遠景と順序だてて描かれるのが普通でしたが、ドガは前景と遠景をいきなり対比させるような極端な描き方もしました。


これらは結果的に対象物の動きや臨場感をうまく表現する事になりました。この大胆な構図は一説には浮世絵の影響であると言われていて、実際ドガも浮世絵版画が好きだったようです。