絵画BLOG-フランス印象派 知得雑話 -260ページ目

雑話19「不遇の印象派:シスレー」

シスレーは印象派グループの当初からのメンバーであり、印象派の技法として有名である筆触分割を使って風景画を描く典型的な印象派の画家です。


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にもかかわらず、モネやルノワール、ドガなどと比べて一般的な知名度はそれほどありません。これは、日本に限った事ではなく、世界的に見ても同じことが言えます。


シスレーはよく「有名だが、あまり知られていない」などと言われ、現在も世界中で印象派がこれだけ人気なのに、彼についての研究もあまりなされていません。


実は、シスレーが存命中も状況は同じでした。


デビューしたころは、散々な評価をされていた印象派の画家たちも、雑話16でお話したように徐々にその人気を高め、1880年代には高値で取引されるようになっていました。


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しかし、シスレーだけは存命中に商業的に成功することもなく、貧困の中で亡くなってしまいました。もちろん、彼の絵にもパトロンになってくれるような愛好家もいましたし、印象派を支えた画商デュラン・リュエルの協力もあったのですが・・・。


その理由として最大のものは、彼が印象派のオリジナルのスタイルを頑固に守り続けていたからだと言われています。現状に満足せず、常によりよいものを求めて自己を変革していく姿勢がこの明暗を分けたという事でしょうか?


ちなみに、代表的な印象派の画家と思われているモネですら、大胆にそのスタイルを変え、晩年の睡蓮の連作は抽象画を生み出すきっかけとなったとも言われています。