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雑話27「オルセー美術館展2010」①新印象派

先日、東京出張の機会を利用して六本木にある国立新美術館で開催中の「オルセー美術館展2010「ポスト印象派」を見てきました。


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オルセー美術館展はこれまで何度も開催されているのですが、今回はオルセー美術館の大規模な改修工事のため、今まで貸出されなかった作品を含め、質・量ともにかつてないほど充実した展覧会になっているそうです。


今回は副題にもあるように特に印象派の後の、「ポスト印象派」の作品に焦点を当てて企画されていて、多くのポスト印象派の名品を見ることができました。


まず、注目すべきは雑話24にも描きました「新印象派」の作品群です。

雑話では新印象派の作家として、ジョルジュ・スーラとポール・シニャック、そして一時的に参加したカミーユ・ピサロをご紹介しましたが、ここでは彼ら以外の点描画の作品も多数見ることができます。


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ポール・シニャック「マルセイユ港の入り口」1911年


実は、点描画は小さな数多くのドット状の絵の具を、置く場所を計算しながら制作するという手法のため、作品数が他の手法と比べて少ない事が多いのです。


新印象派のリーダーであるスーラの作品としては代表的なものはありませんでしたが、彼が大作を描く際の準備段階の作品として描いた小さな油彩の習作が多数展示されていました。


これらは「クロクトン」と呼ばれ、それらを通して、どのようにして「アニエールの水浴」や「グランド・ジャット島の日曜日の午後」が組み立てられていったかの過程を見ることができます。

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テオ・ファン・レイセルベルヘ「舵を採る男」1892年


上記の3人の作品はもちろん、それ以外にマクシミリアン・リュス、シャルル・アングラン、アンリ=エドモン・クロス、テオ・ファン・レイセルベルヘ、ジョルジュ・レメンと言った日本では知られていない点描画の作品がずらり揃っていました。


特に、レイセルベルへの「舵を取る男」は動きが凍りつきやすい点描画の手法を使って、波のダイナミックな動きをうまく表わしており、注目の作品です。