雑話130「高騰するコンテンポラリー・アート」
先日、ムンクの「叫び」がオークションでの美術品の最高落札価格の記録を更新したことをお伝えしましたが、実はコンテンポラリー・アートの分野でも新記録が生まれました。
この5月8日にNYで行なわれたクリスティーズのコンテンポラリー・アートのメインオークションにおいて、マーク・ロスコの「オレンジ・赤・黄」が8,688万ドル、約69億5000万円で落札されました。
マーク・ロスコ「オレンジ・赤・黄」1961年
これはコンテンポラリー・アートの作品としては、オークションで落札されたもっとも高額な価格となりました。
確かに70億円近い金額は高額ですが、先日のムンクの96億円や歴代2番目になってしまったピカソの「ヌード、観葉植物と胸像」の85億円にはまだまだ及びません。
しかし、オークションで落札された作品を全体で見てみると、この10年間でコンテンポラリー・アートが他の分野と比べてもかなり高騰していることが分かります。
アンディ・ウォーホル「マリリン」1967年
例えば、2000年の作家別売上高のベスト3は、ピカソ、モネ、ルノワールです。
ところが2010年ではウォーホル、ピカソ、リキテンスタインとなり、1位と3位はコンテンポラリー・アートの作家が入ってきています。
分野別に見ても、2000年のオークションの売上高に占める印象派、モダンアートの割合が46%だったのに対して、コンテンポラリー・アートの割合は14%と、印象派の約3分の1でした。
ロイ・リキテンスタイン「ホープレス」1963年
それが、2010年にはそれぞれ42%と39%となり、コンテンポラリー・アートの取引高が印象派のそれにかなり肉薄してきています。
このまま行くと、現在もっとも人気のある印象派の地位が、近い将来コンテンポラリー・アートに取って代わられるかもしれませんね。


