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雑話154「秋のNYオークション 結果報告」

11月の第2週にニューヨークで開催されました印象派と近代アートのオークションの結果をお知らせいたします。


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今秋のサザビーズのオークション会場

直前のブログにて、注目作品としてサザビーズとクリスティーズのもっとも高額な落札予想価格がつけられた作品をご紹介しました。


両作品は、ほぼ同じ予想価格をつけられていましたが、オークションの結果、クリスティーズのモネの「睡蓮」が、サザビーズのピカソの「チューリップのある静物」よりも高額で落札され、この秋のオークションでのもっとも高い作品となりました。


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クロード・モネ「睡蓮」1905年

今秋のNYでもっとも高額な作品となりました!

モネの「睡蓮」の価格は、3900万ドルの落札金額に手数料を加えた約4376万ドル、日本円にして約35億円となりました。この作品の落札予想価格は3000万ドルから5000万ドルでしたので、予想のほぼ真ん中の価格で落札されたことになります。


それに対して、ピカソの「チューリップのある静物」の場合は、3700万ドルで落札され、落札手数料を含めて約4152万ドル、日本円にして約33億2千万円となりました。


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パブロ・ピカソ「チューリップのある静物」1932年

ピカソの落札予想価格のほうが少し高い3500万ドルから5000万ドルでしたので、結果的にピカソの予想価格は少し高めだったといえるでしょう。


そのほかの注目作品としては、クリスティーズに出品されたカンディンスキーの「即興8 のための習作」が約2300万ドル(※手数料込)、日本円にして約18億4千万円で落札され、この作家の最高落札価格の記録を更新しました。


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ワシリー・カンディンスキー「即興8 のための習作」1909年

※カンディンスキーの作品としては、最高落札金額の記録を更新しました

これは、この秋の両方のオークションの中で3番目に高額な作品となりました。


また、多くのピカソの作品が出品されたサザビーズのセールの中で、個人的にはもっとも魅力的だったピカソ「窓辺の女性」は、約1720万ドル(※手数料込)、日本円にして約13億7600万円で落札されました。


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パブロ・ピカソ「窓辺の女性」1936年

この作品のモデルも「チューリップのある静物」と同じマリー・テレーズです。


今回のオークションは全般に低調で、最低落札希望価格に届かず落札されなかった作品や、落札されても予想価格の下限に近いものが多かったようです。


そんな中で、ピカソの白黒のペン画が予想価格を大幅に上回る金額で落札され、一際注目を集めました。


「強姦」と題されたその作品は、文字通りの場面を黒のインクで紙に書いただけの比較的シンプルな技法の作品です。※画像はありません。


しかし、400万ドルから600万ドルとされた落札予想価格をはるかに超えて、1200万ドルという高額で落札されました。手数料を入れた1350万ドル、日本円にして10億8000万円という金額はサザビーズのその夜の落札作品の中で3番目に高額なものとなりました。


また、変わったところでは、ジャコメティの「脚」という彫刻がクリスティーズに出品されました。


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アルベルト・ジャコメティ「脚」1947年1958年

その名の通り、脚が一本だけ真っすぐに立っている作品なのですが、まるで彫刻の脚の部分をもぎ取って、そのまま作品にしてしまったような不思議な作品です。


それでもさすがに世界的に人気のジャコメティの作品ですね。1130万ドル弱(※手数料込)、日本円にして約9億円で落札されました。


金額だけ聞いていると、とても低調だったとは思えませんが、オークションの成否は買い手の購買意欲だけでなく、売り手の希望金額にも大きく影響されます。


景気の先行きが見えないなどの経済情勢も間違いなく影響しているのですが、出品者とオークション会社の合意のもとにつけられた落札予想価格が、市場の評価より高かったことも一因だったのでは?と思っています。