160㎝のバレー部主将 第二話 | ワンラン日記

ワンラン日記

愛知県岩倉市八剱町「ワン学習塾」の日記。
さらに、代表・犬童の「ラン日記」の二本立て。
2017年は記録足踏みも2018年こそ目指せサブ3!
BEST:10km…40:01 ハーフ…1:26:45 フル…3:10:55

 

前回のブログの続きです。

 

 

中学に入って部活動を選ぶ時期が来た。第一希望はバスケット、第二希望は卓球、第三希望は野球にした。私の地域では小学校から部活動があった。運動部はサッカー部しか存在しなくて、その他季節の部活動として自転車部、水泳部、陸上部があった。土日は少年野球やソフトボールがさかんな地域で、運動が得意な友人は多くが参加していた。つまりサッカーと野球は経験者でなければハードルが高い部活だった。当時はスラムダンクの人気が上がり、ブルズやレイカーズの円柱型の筆箱を多くの生徒が使っていた。その雰囲気に流されての第一希望、卓球は気軽にできるのと身体能力に左右されなさそうなことが大きかった。ただいつも一緒に通っていた平野くんの言葉が気になっていた。「卓球なんて文化部よりダセーよな。テニスも女っぽいな。水泳は練習が見えなくて地味」彼は小学校のサッカー部でもセンターフォワード、少年野球でもクリーンナップだった。何の躊躇も無しにサッカー部を選ぶそうだ。私はサッカー部では二軍だったので入る自信が無い。

 

バスケ部の体験入部は狭いコートの端にすし詰めだった。20人以上がいた。そして隣ではバレー部がスペースを緩く使って活動している。どうも1年がいないっぽい。無理もないなと思った。理由は後述する。次に卓球部の体験入部。こちらは楽しめたものの何とも言えない陰な空気が気になった。ここに入ると中学3年間で光が当たらない気がした。女子からはモテない気もした。平成初期のこの空気感は40以上の人になら分かってもらえるだろう。稲中卓球部が流行るのはもう半年くらい後だった。

 

体験入部が終わったある日、1年の教室に見慣れない先生がやってきた。前で話をするらしい。

「えーみなさん。バレー部の柴山です。現在バレー部は入部希望が0。非常に厳しい状況です。毎年中学から始める人が9割ですから未経験の人も積極的に考えてください。後は大きな人のスポーツのイメージがあると思いますが、小さい人でも活躍の場があります。また大きくなります。キミなんかも入ってほしいんだよな」

近くに座っていた私を指さして話す。せっかくなので聞きたいことを聞いてみた。

「部活動見学の時に竹刀を持った怖い先輩がいたんですけど、あの人にヤラれませんか。めっちゃ怖かったんですよ」

あ~あいつは困ったやつだけど、普段はもう少し優しいよ。私が暴れないようにきちんと指導します。

 

部活動見学の時にこの先輩、竹刀を体育館の床に何度も打ち付けて

「舐めた奴が入ってきたらこの竹刀でボコボコにするぞ。入るんだったら気合い入れて入ってこい!」とすごんでいたのだ。

 

バスケ部はレギュラーの道が遠そうだし、卓球部よりはバレーの方が躍動感があった。まあ一度やってみるかと考えてバレー部の説明&練習会に行った。希望者は6人。私と同じくらいの身長の子が2人いた。何ともバレー部とは思えないような6人がバレー部に入部することになった。

 

(つづく)

 

以下余談です。

Xで福岡の中学のバスケ部の案内が盛り上がっています。それを親御さんがアップして「息子には入ってほしくない」と。

 

私が昨今の雰囲気に違和感を覚えるのは「親御さんが介入しすぎ、お気持ちを述べすぎ」という点ですね。私はこんな感じでバレー部に入るまで二転三転しましたが、親に何か相談したようなことはありませんでした。決まってから「色々あったけどバレーボールをやってみる」と話しただけです。父も母も「そうか」「背が伸びるといいな」「小さくてもチームに貢献する方法を考えなさい」で終わり。実際に中学の試合で母は観戦に来たのは大会2回のみ。主将を務めた高校でも似たような感じで最後の試合の後に母が「犬童です。お世話になりました」顧問の先生が「あ~犬童のお母様ですか!貧乏くじのような役をあいつはしっかり務めました。ありがとうございました!」の会話のみ。父は自分の趣味の釣りを優先して観戦に来たことは一度もありませんでしたw

 

それくらいの距離感で構わない気がするんですよね。今の親子が近い関係は良い部分もあると思う反面で薄く広い弊害があるように思うんですよね。入部する前の情報云々などが親に行くのは小学校までで終わりが健全だと思います。今は大学まであるのが何とも気色悪い所があります。