長男は3歳の頃からスイミング、そして5歳から私の運営するランニングクラブ、
6歳から塾の講座を週一回受講し、7歳から地元の少年野球チーム(Tボール)に入りました。
現在の所はこれ以上増やすつもりはありません。
最も長く続けているスイミングに対して、半年くらい前は後ろ向きでした。
「辞めたい」「どうせ上手にならないから」こんな言葉が続きました。
1年半くらい前からずっと若い男性のコーチのクラスに入っています。
その方の指導になってから2・3か月経った頃にこう言ってきました。
「あのコーチ怖いから嫌だ。他の曜日や時間に替われないかな」
月の中で一週間プールサイドで観覧できる機会があります。
そのチャンスに男性コーチの指導の様子を見させてもらいました。
特に怖いとは思いません、ただ他のコーチと比べるとアプローチの仕方が違うのかなと。
スイミングクラブも時代の流れでしょうか。指導してくれるコーチの年齢層は意外と高めです。
お子様どころか、お孫さんがいるような世代の方もいます。
中高年のコーチの方々の物腰は非常に柔らかです。
私が小学校の時に通っていた頃よりも「サービス業」という対応をしています。
そういった中で、長男の担当のコーチは無骨な雰囲気を持っている方でした。
例えば他のコーチの方が
「息を吸うときはもっとグーンと顔を上げてみようか!」と言うのに対し、
その若い男性の方は、
「息継ぎのときに顔の角度を上げるといいぞ!」というような口調です。
あまり表情を崩すことなく、真剣に伝えています。
他のコーチよりもしっかりと技術論を話す時間が長いのです。
それが子どもたちにとっては「怖い」と映るのでしょうか。
そんな感想を持っていた頃に、スイミングの掲示板に「保護者からの声」の紙が貼られました。
「以前は楽しく通っていたのに、コーチが変わって行きたくないというようになりました。もっと優しく教えてもらえませんか。子どもに伝わるように話してくれませんか。」
それに対して
「水泳に対して嫌な感情を持たせてしまって申し訳ありません。これからは笑顔で優しく指導できるように努めていきます。」
文章の終わりには若い男性コーチの名前が書いてありました。
この時は正直、男性コーチに同情しました。
若いスポーツマンが一生懸命子どもを指導しているのを「怖い」と受け取られてしまう。
20代そこそこの若者が小さい子に「ニコニコ」する人材ばかりがいる社会は健全だろうか?
昨年の夏から冬にかけて、長男の水泳の上達は停滞期でした。
明けて3月のテストの頃、彼は急にぐんぐんと上達しました。
そして進級テストで25メートル泳ぎ切りました。
プールサイドに上がった瞬間にそのコーチが肩を軽くたたき、深く頷きました。
表情はいつものように真剣な顔です。笑顔ではありません。
しかし何か言われた後の長男の足取りはスキップのようになりました。
「コーチがね。本当に上手になったな、それでいいぞ!」って言ってくれた。
今までにないくらいの充実した表情で伝えてくれました。
「あのコーチに褒められると本気で嬉しい!」
それからと言うもの、長男は他の曜日に振替がされるのを嫌がります。
進級しても男性コーチの担当がいいと話しています。
気付いた時に子どもを褒める。それが自己肯定感を高める。
全くそれに異論はありません。
しかしながらほとんど褒めてくれないんだけど、
いつも一生懸命指導してくれる。そしてたまに褒めてもらえる。
こういった指導者に担当される経験もまた貴重ではないでしょうか。
楽しそうに通う長男に影響されたのでしょうか。次男が「僕も泳ぎたい」と言い始めました。
来週デビューします。色々な指導者の元でたくましくなってほしいと願います。