心理学から見た記憶法 | プロ家庭教師の勉強の教え方を大公開・ガッツ家庭教師

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世の中には様々な記憶法があります。
しかし、どの方法が正しいのかさっぱり分からないのもまた事実。
そこで、今回は、心理学から見た記憶法についてお話しをしたいと思います。


四つ葉記憶法1.工夫をして反復する
さて、問題です。


「100分の一夜漬けで暗記した100個の英単語」(集中学習)と「1日10分を10日かけて少しずつ覚えていった100個の英単語」(分散学習)では、忘れやすいのはどちらだと思いますか?


ほぼ全員の方が、「10日かけて少しずつ覚えていった100個の英単語」と答えると思いますかお。実際、心理実験でも少しずつ覚えていく方が記憶に残るという結果が得られています。また、バスケットボールのフリースローのような運動学習でも同じ結果になるそうです


なぜ分散学習の方が効率的なのかは、まだ学術的には十分に解明されてはいませんが、休み時間の間にも頭の中では記憶を固定化するような働きが進行しているのではないかと言われています。


そして、記憶の効率を上げるにはもうひと工夫キラキラが大切です。例えば、英単語の暗記の場合、1回目に暗記してみて覚えられてないところに印をつけ、2回目にはその単語を重点的に覚えるというような工夫をすると、記憶の効率を大幅に上げることができます。ただ闇雲にやるのではなくて、自分が記憶しているかどうかを自分自身に問いかけながら学習を進めるのが大切です


四つ葉記憶法2.知識を関連づける

「149162536496481」

という数字の列を覚えろと言われても簡単には覚えられないと思います。


しかし、これを

「1,4,9,16,25,36,49,64,81」

とすれば、規則性に気づきます。

そうです、この数字の列には、整数の二乗数の並びという規則性がありますキラキラ
規則性が分かれば、この数字の列は即座に覚えられます。


このようにして人はまっさらな状態から記憶するよりも、元々ある知識(既有知識)を活かして覚えるようにした方が圧倒的に効率よく覚えることができます。また、このような既有知識のことを心理学では"スキーマ"と呼び、この"スキーマ"が記憶・理解、問題解決には非常に大切な要素であることが最近の心理学的調査で明らかになってきていますキラキラ


新しいことを教える時には、生徒の中にある既有知識と新しい知識を結びつけるような指導法が有効ということになります。先生の中には、よく生徒の実体験と絡めて教科書で出てくる内容を教えようとしてくれる方がいますが、この方法は、心理学的に見ても非常に有用な方法♥akn♥だと言えます。


四つ葉記憶法3.知識を構造化する

よく「理科・社会は暗記するだけ」と言われがちですが、歴史の出来事などを暗記だけでなんとかしようとするとどうでしょうか?おそらく、非常に困難な作業になりダウン、私なんかは早々に諦めるしょぼーんと思います。


ものを覚える時に大切なのは、知識どうしを関連づけることです。歴史ならば、図のように矢印などを使って歴史の流れも一緒に覚えることで記憶がスムーズにできるようになります。



子育て・教育のひと工夫・ガッツ家庭教師
(「勉強法が変わる本」(市川伸一著)のP53より)


家庭教師で出会う生徒の中には、この作業を面倒くさがり、ただ闇雲に暗記しようとする子がいます。しかし、その方法は非効率です。なので、家庭教師としては、知識を構造化することの大切さを伝えて、そのやり方を教えていくことが大切です。


心理学的見地から記憶について読み解くと、一番大切なのは、2と3の既有知識を使って、これまで学んだことを関連づけ、構造化することだということが分かります


生徒はこのような行為を億劫に思い、逃げがちですが、既有知識と関連づけたり構造化しながら記憶していった方が、丸暗記よりもはるかに効率的だということを粘り強く伝えてください。そして、生徒と一緒に、彼らにあった記憶方法を探してあげてくださいかお



今回のブログは、以下書籍を参考に作成しましたキラキラ

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