看護師さんも増え、周りの様子もバタバタとし始め、
帝王切開の担当っぽい医師も到着した。
「痛み和らげる薬入れていきますね〜」と何やら薬を打たれた。
これは後に聞いた話では
子宮の収縮(陣痛)を弱める薬だったそうだ。
帝王切開に向けて準備が進められていた。
まぁ、それを打たれても相変わらず陣痛はきていた。
それまでみんなで吸引やら、お腹を押したりとかして
陣痛がきたときに力を合わせていたのに
帝王切開モードになったのか、私一人孤独にいきんでいた。
ちなみに、私は陣痛がきたかどうかはモニターで分かるだろうと思っていたので「陣痛きました!」とあまり周りに伝えなかったが
陣痛がくるたびに周りに言ったほうがみんなのタイミングを合わせやすい。
何度もいきむタイミングじゃないときに「せーの!」と掛け声をかけられ
あまり陣痛の排便欲を活用しきれなかった。
分娩台からストレッチャーへ
ストレッチャーから手術台へ。
陣痛中に転げるように移動した。
どうやら無事に、隣の部屋の絶叫女性よりも私が先に手術を受けることになったようだ。
その頃にはもう体力も限界になってきていた。
すでにこの最後の陣痛モードになって1時間半が経っている。
医師が「あと1回チャレンジして、ダメだったら手術に入ります」と言う。
「あれ、赤ちゃん降りてきてるね。いけるかもしれない」と続ける。
なにぃ!?
私は一筋の光が見えたような気がした。
もう、残っている力を振り絞っていきもう。
1時間半の陣痛中に言われたことを意識する。
おヘソを見ながら
息を止め
手はモノを掴み
足は踏ん張る
手術台で2回いきんだ。
2回目のいきみで、赤ちゃんが出たのが分かった。
無事に生まれた。
ちゃんと泣いていた。