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三島由紀夫24歳の時の作品ですからね。
こんなに有名作家になるなんて思わずに書いちゃったのかな。

告白なんかしちゃって、
あとで後悔しなかったのかな。

なんて余計な心配したりして(^^;)。



でも書かずには居られなかったんでしょうね。一種のカタルシス?自己顕示欲の強かった三島にしてみれば。。。

若い頃この作品を読んだときは、三島由紀夫って男色なんだ~!
ってショックで、以来顔を見るのが嫌だったんだけど、
(いや、男色が嫌なんじゃなくて、三島さんのご容姿が、いやはや生理的にど~も^^;)

今は三島由紀夫の苦悩が分かる気がする。

これも年の功ですな、わっはっは!

男色という言葉は三島にぴったりくるとつくづく思う。

ゲイでもなく、ホモでもなく、男色家。


女性から見たら嫌悪を感じさせる彼の意気込んだ色気は、
男色にとっては、たまらない魅力なのかもしれない。。。

冒頭の産湯をつかうシーンは彼の才能がキラキラ輝いて印象的です。


天才は「生きるのが辛かろう」の代表的作品ですが、すでにこの頃から、思想的にも嗜好的にも将来の三島由紀夫が見え隠れしており、なんともいえない緊張感と哀しみを感じます。



著者: 三島 由紀夫
タイトル: 仮面の告白

この人の履歴はよくわかりませんが、思想家や評論家ではなくこてんこてんの古典系の人なんですね。歴史上の気に入った人物に想いを馳せていたら、一冊の思想が出来上がり、本になりベストセラーになったという感じ。という訳で、ちょっとこじつけっぽい箇所もあるのですが、著者の日本人に対する熱さが伝わってくる一冊。この本がベストセラーになった当時は、私も「そうだ、そうだ!」と、かなり感化されたのですが、今読むと妙に醒めている自分に自己嫌悪。時には世の喧騒の中で立ち止まって、こういう本を読むのもいいかも。

追記
この本を読み終わって、数週間後に中野孝次氏死去のニュース。これって虫の知らせ?私って霊感があるのだろうか?(ないない!)これを機に、また多くの人々に読まれるといいのですが。ご冥福をお祈りいたします。


著者: 中野 孝次
タイトル: 清貧の思想
最近レトロチックに嵌りまして懐かしの江戸川乱歩を紐解きました。

横溝正史となるともうちょっと洗練されてくるんだけど、乱歩の生きた時代を反映する荒唐無稽さ、これでもかの妖しさ、えげつなさで、しばし現実を忘れさせてくれます。

それにしても乱歩さんは、パノラマという言葉が好きみたいで、様々な作品にでてくる言葉ですが、当時としては時代の最先端技術でナウい(爆)言葉だったんでせうね。
レトロ言葉がでてくるだけでワクワクしちゃうでしょ?
読者を、これでもか~!ってくらい驚かしてやろうとするサーヴィス精神には脱帽。

幻想主義な割には、あとでご丁寧に種明かしで辻褄を一生懸命合わせようとするあたり、随分神経の繊細な人なんだな、と。
当時としてのオドロしさも現在読むと上品なものです。
乱歩作品は、子供の頃に浅草の花やしきで観た妖しげな見世物小屋を思い出させてくれます。


著者: 江戸川 乱歩
タイトル: 影男;ぺてん師と空気男
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100冊以上もの資料を統合、検討(?)して書かれた本。

ご苦労様でした。

お陰様でいちいち文献を紐解く作業が省けました(笑)。



アイキャッチとして、歴史上の著名な人物にまつわる謎を挙げているのがミソ。

例えば、皇女アナスタシアの真贋はDNAで決着したけれど、それでも謎や疑問は消えない。

ひとつひとつのエピソードも偏った見方ではなく、古今の様々な研究や証言を拾い集めているので興味深い。
そのために却って謎が深まっちゃったりするけど、それも楽しい。

情報を網羅してまとめただけで、著者の意見が前面に出てこないので読みやすかった。

桐生操作品でいつも感心するのが、本の題名やキャプションのつけ方。

「本当は恐ろしいグリム童話」

「きれいなお城の~」シリーズ

「やんごとなき姫の~」シリーズ、

「世界悪女大全」

「美しき殺人法100」

...

こりゃ、題名を見ただけで読まなきゃならない気になる。

著者(たち)は大学で仏文・歴史専攻だったそうなので、そちら方面の造詣は深いんでしょうけど、まず出版に対するアイディアに脱帽。

☆☆☆

著者: 桐生 操
タイトル: 迷宮への招待 世界史15の謎
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これも嵌りたくない作家の一人ですの(苦笑)

もう10年以上本棚にあったんだよね、この本。(だってバーコードなんか印刷されてないもん^^;)
何故読まなかったかというと、戯曲だったから。読みにくいでしょ、戯曲って。
それに、この作品を書いた頃の三島由紀夫って売れっ子の上昇気流に乗っていて、「鹿鳴館」という響きに惹かれたものの、タイトルがあまりに俗っぽくて内容に幻滅したくなかったの。

でもあまり読む本がなかったので読みましたよ~。
感想?もっと早くに読むべきだった(爆)! 

<明治19年秋、鹿鳴館では華やかな夜会が催される。夜会の主人役は伯爵婦人影山朝子。夫の政治家影山伯爵とは互いに隠し事を秘め、偽りの笑みを浮かべつつ、共に夜会を取り仕切る。
夜会に乗り込んでくるはずの政治家清原永之輔は、かつての朝子の恋人で、久雄という息子まで生み、今も密かに愛している男。夫の影山伯爵は、何も知らぬげに、実は何もかも承知の上、うす笑いを浮かべながら、今日を機会と清原の暗殺計画を練っている。朝子もそれを察知し、暗殺を阻止しようと心を砕く。互いの隠し事を知りつつも、何食わぬ顔で駆け引きの限りを尽くす伯爵夫妻・・・>

悲恋物語にもサスペンス仕立てにもなっているこの作品は、現代でも多くの劇場で公演されている。

そうそう、この人の小説のストーリーはいつでも非常に俗っぽいんだけど、流麗な文章とありあまる才能が、芸術作品に仕上げてしまうのだということを思い出しました。

31歳の時のこの作品にも、後年の三島由紀夫の片鱗が所々にうかがわれ興味深い一作。


☆☆☆☆
著者: 三島 由紀夫
タイトル: 鹿鳴館
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