しっかりしていなかったら、
生きていられない。
やさしくなれなかったら、
生きている資格がない。


レイモンド・チャンドラーの最後の作品として、さまざまな反響を呼んだ作品。
確かにそれまでのチャンドラーらしくない部分もあるけれど、
私としてはチャンドラーが自らの死期を悟り、
最後の作品となることを意識して描いたような気がしてならない。

その根拠は、彼の最後の楽園、南カリフォルニア、ラ・ホヤの街を「エスメラルダ」という名にして舞台とし、文中でもラ・ホヤの描写に多くを割いていること。(そしてチャンドラーはラ・ホヤで息をひきとった。)
そして、マーロウの昔の恋人リンダ・ローリングが再登場させていること。

それによって、暗にマーロウのハッピーエンドを示しているのが、嬉しくもあり、寂しくもある。
そして、我が愛しのフィリップ・マーロウさま、私は貴方よりずっと年上になってしまいました。
人生は短きことよ。だから、若いうちに良い小説をいっぱい読んでおこうね!

個人的に、この作品の魅力はエスメラルダの街にあると思う。
主人公となるベティ・メイフィールドは、チャンドラー好みの生意気できつい女というだけで他に魅力がない。
美しいというだけで、これだけ多くの男が彼女を救おうと危険を冒すのが奇異な感じを受けるけど ^^;。こういうタイプって、この時代のマスメディア向けアメリカ女性の典型って感じ。

言い古された表現だけど、

マーロウのダサいかっこよさ、男気。
美人で生意気で可愛い女たち。
熱くて優しい男臭い男たち。

古き良きアメリカの匂いへようこそ!



著者: レイモンド・チャンドラー, 清水 俊二
タイトル: プレイバック

☆☆☆☆

著者: Raymond Chandler
タイトル: Playback
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アメブロを始めた動機はなにか。

ただ単に、自分が読んだ本の感想を、HPよりも気軽な形で残しておきたかった。
(ブログはHPよりも気軽と思い込んだところが罠でしたね ^^;)

たまたま、アメブロが検索の一番上に出てきので登録してみた。
ランキングもあるの?
自分のだいたいの位置を知りたいし、こりゃいいかも!と思った途端に

「1月のランキングは中止です」

はいはい、ブログを始めた次の日にね。。。笑っちゃうね。

ま、いいや。
ところが、ブログはHPよりも大変だと気づかされた。

読者登録、コメント、トラックバック

返事だけでも大変だぁ。
お礼?
お礼って、どこに書けばいいの?
トラックバックにもお礼?
勝手にトラバしていいのかしら?

何もわからん。
これじゃ、却って手がかかる。

でも面白いブログがいっぱい。
見ているだけで、時間がたつ。
自分の読書の時間がなくなる。

インフルエンザでダウンです~!!!

はいはい、ジャンル別第一位になった日にね。。。笑っちゃうね。

いまはただ
無意識に本棚から選んだ本を無心で読み、
その日その時、感じたことを書き残していきたい。

ブログは人の為ならず
ぴちぴちのギャルが、たった20年で
ぴっちぴっちのおばさんになれるように、
世の中の理というものは大古の昔から変わらない。
(ちょっと~、ぴちぴち肉の密度はそんなにかわってないと思うのよ。どこが違うってのさ!)

その理とは、

年寄りの言うことは、一応聞いておけ~!

である。

そして、やはり男の生き方は、ばあさんよりもじいさんに聞くべきだ。

私は常々、男と言うものは、化粧や衣装で化けない分、
大変なものだと思っている。
その人の生き様がすべて表れる顔を、いじりも隠しも修正もせず、
堂々と晒して生きる男とはなんて強いのだろうと。

その強さを支えているものは、自身の信念と知識と経験に他ならない。

著者は、必殺仕掛人シリーズでおなじみの時代小説家、池波正太郎氏。
演出家、脚本家、映画評論家、美食家、イラストレーター、旅行家
としても活躍。

この本を読んで、鵜呑みにしなさいとは言わないが、
「男とは」
「大人の男とは」
「人間の男とは」
どういうものなのか、どうすりゃいいのか、
知識として一読の価値あり。

ひとりでも多くの「大人の男」が増えますように!


著者: 池波 正太郎
タイトル: 男の作法
ネオフィリアとは<新しもの好き>という意味。

同じネコ科動物のライオンとトラ。
毛皮を剥いでしまうと、解剖学の専門家でもないかぎり見分けがつかないとか。

(誰かトリビアに応募せよ!)

ところが、性格的には天地の差があり、
ライオンは生まれついての怠け者。いくらでもうたた寝にふける。
トラは神経系統が無為を嫌い、長時間くつろぐことを許さないので、
落ち着きがないそうである。

そこで、ふと思ったの。

寅年うまれの獅子座はどうなるのよっ?


ま、それはさておき、

ライフサイエンティストのワトソン博士が、地球上の森羅万象を、
素人にも解かりやすく科学的に解説してくれる。
科学は苦手だとか、興味がないという方にこそ読んでみて欲しい。
不思議な楽しい話がいっぱいで~す。
一見、難そうな本に見えるけれど、科学大好きな少年少女(中学生以上)にもぜひお薦め。

最後に一言。
ちくま文庫の装丁はさすがである。
内田美恵氏の訳がとても解かりやすく秀逸。


著者: ライアル ワトソン, Lyall Watson, 内田 美恵
タイトル: ネオフィリア―新しもの好きの生態学
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外国映画の字幕の第一人者、戸田奈津子さんのエッセイ。

一部の映画ファンまたは字幕ファン以外には、日陰の存在として脚光を浴びることも少ない字幕屋さんですが、その労力と苦労は並大抵のものではない。
一秒3,4文字、一行10字程度に収めていく厳しい制約の中での作業は、
本の翻訳よりももっと苦労が多い。

この本のお蔭で、私たちは映画業界の裏側を垣間見ることができ、
名セリフ、名訳、名題、名意訳などの例も読者を愉しませてくれます。

が、問題は、映画を見る人たちが全員この本を読み、
字幕の背景や苦労を理解してくれているのではないということ。

どんな分野の仕事であろうとも、プロである以上、出来上がった作品が勝負。
その裏方の苦労は見せない、見えないのが当然であって、苦労話を聞いた上で
「そうだったのか」と納得するような作品は本末転倒とも言える。

ご本人が字幕の草分け的存在で、苦労したのはよくわかるけど、
ただの苦労話の披露に終始しているのが残念。

英語を、また外国文化を肌で理解できる日本人は、
戸田さんの活躍された時代とは比べものにならないくらい増えている。
したがって、英語を机上だけで訳すのではなく、肌で吸収した上で理解しようとする優秀な翻訳家や字幕家も多勢いらっしゃる。

古き良き時代の字幕パイオニアとしてのエッセイも、
自負と傲慢さが目につき、共感できない。

個人的に戸田さんの訳は突飛すぎて、
(その理由も本書で述べてはありましたが)
やはりついていけないんですが。




著者: 戸田 奈津子
タイトル: 字幕の中に人生